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フランス映画のDVD発売情報としては久々の朗報と言えるでしょう。
フィルム・ノワール ベスト・セレクション フランス映画篇 DVD-BOX1
』がブロードウェイから3月4日に発売になります。

内容は
●『ランジュ氏の犯罪』(ジャン・ルノワール監督)
●『最後の切り札』(ジャック・ベッケル監督)
●『真夜中まで』(アンリ・ドコアン監督)
●『面の皮をはげ』(レイモン・ラミ監督)
●『パニック』(ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)
●『六人の最後の者』(ジョルジュ・ラコンブ監督)
●『サンタクロース殺人事件』(クリスチャン=ジャック監督)
●『署名ピクピュス』(リシャール・ポテイエ監督)

ブロードウェイといえば、これまでアメリカのフィルム・ノワールを集めたDVD-BOXがすでに5巻まで発売になっています。(私は3巻まで所有)
そのブロードウェイからいよいよフランスのフィルム・ノワールを集めたDVD-BOXが発売されるというわけです。
しかも、8枚組というボリューム、40年代中心のラインアップ(私も未見の作品ばかり)と凄い内容です。

たとえば、ルノワールの『ランジュ氏の犯罪』はこれまでVHSでも観られなかった幻の作品ですし、ベッケルの『最後の切り札』は数年前に日本でも一部で公開されましたが、どうしても時間が合わず観られなかった作品。
『真夜中まで』の主演はルイ・ジューヴェ、『面の皮をはげ』の主演はジャン・ギャバン、『パニック』はジョルジュ・シムノン原作デュヴィヴィエの戦後第1作。
『六人の最後の者』はピエール・フレネー主演、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー脚色、『サンタクロース殺人事件』はピエール・ヴェリー原作、『署名ピクピュス』はシムノン原作で主演はアルベール・プレジャン(『巴里の屋根の下』)・・・といった按配です。

『DVD-BOX1』ということは『DVD-BOX2』『DVD-BOX3』と続くかもしれません。
これはかなり期待できそうです。

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オリヴィエ・マルシャル監督の『そして友よ、静かに死ね』を国内盤DVDで観た感想。

Les Lyonnais』(11年)
監督:オリヴィエ・マルシャル
脚本:オリヴィエ・マルシャル、エドガー・マリー
音楽:エルワン・クルモルヴァン
撮影:ドゥニ・ルーダン
出演:ジェラール・ランヴァン、チェッキー・カリョ、ダニエル・デュヴァル、ディミトリ・ストロージュ、オリヴィエ・シャントロー

初見。
昨年劇場公開された映画だが、さっそくDVDが出ていたので鑑賞。
正直、邦題があまりにアレなので期待半分で観始めたのだが、思ったよりもずっと良かった。
友情、裏切りといった、いかにもフレンチ・ノワールらしい要素が万遍なく描かれた作品であり、主人公たちの現在と若き日の映像を錯綜させつつ、観る者の興味を惹きつける手腕が見事だ。
俳優たちも皆好演で、特に主人公のモモン(現在)を演じたジェラール・ランヴァンの渋い存在感は魅力たっぷり。

20thアニバーサリー フランス映画祭が6月21日~24日に有楽町朝日ホールTOHOシネマズ日劇で開催されるが、その上映作品の中から、ノワール好きとしてはオリヴィエ・マルシャル監督『そして友よ、静かに死ね』に注目したい。

オリヴィエ・マルシャル監督といえば、『あるいは裏切りという名の犬』や『やがて復讐という名の雨』といった作品が日本でも公開されたり、DVDで発売されたり(レンタルもあり)と、昨今の本邦における厳しいフランス映画事情の中では比較的恵まれた(?)存在だが、今回も監督作品が上映されるのはまずはめでたい。

ただ、邦題はどこかで見たようなタイトルで主催者側のやる気のなさが伝わってくるようだ。
肝心の上映日時は6月23日(土)21時15分からTOHOシネマズ日劇での1回のみ。
私は残念ながら行けそうにないが・・・。

来る6月8日にアラン・ドロンの70年代の主演映画3本の国内盤Blu-rayDVDがパラマウントから発売されます。

●『フリック・ストーリー』(75年 ジャック・ドレー監督)
●『
友よ静かに死ね』(77年 ジャック・ドレー監督)
●『
チェイサー』(77年 ジョルジュ・ロートネル監督)

いずれもDVDは再発となりますが、国内盤ブルーレイは初発売。
フリック・ストーリー』『友よ静かに死ね』の2作は最近まで紀伊国屋書店からDVDが出ていましたが、権利が移行したようです。

なんといっても注目は『チェイサー』で、国内盤DVDが長らく廃盤でしたし、DVDの画質もあまり良くなかったので、今回の再発は歓迎されるのではないでしょうか。
ブルーレイ、DVDともに価格が抑えられているのも嬉しいところです。

さて、われわれが待ち望んでいる“あの作品”はいつ再発されるのでしょうか・・・。


フレンチ・フィルムノワールのサントラCDのコンピレーションものといえば、以前このブログでも紹介したことがある『フレンチ・フィルムノワール・アンソロジー』(全4種)が定番と言えるでしょう。
とはいえ、国内盤輸入盤含め、全4種ともに10年ほど前に発売になったきり、長らく廃盤となっていましたが、最近なんと『VOL.3』のみ国内盤で再発されていました。

『VOL.3』は80年代の作品が主となっていますが、ハッキリ言って『VOL.1』や『VOL.2』の方がより需要があると思われるので、これらも是非再発して欲しいものです。
 

クロード・ミレール監督の『死への逃避行』を国内盤DVDで観た感想です。

0b12d1b8.jpegMORTELLE RANDONNEE』(83年)
監督:クロード・ミレール
原作:マルク・ベーム
脚本:ミシェル・オーディアール、ジャック・オーディアール
撮影:ピエール・ロム
音楽:カーラ・ブレイ
出演:イザベル・アジャーニ、ミシェル・セロー、ギイ・マルシャン、サミー・フレイ、ステファーヌ・オードラン、マーシャ・メリル

初見。
この映画は公開時の一般的評価は低かったものの、後に一部でカルト作品としての評価が確立したと言われているようです。
実際、この手のサスペンス作品としてはかなり変わった内容の作品。
シリアスともコメディともつかぬぶっ飛び具合が相当に面白く、個人的にもかなり気に入りました。
ある意味、新時代のノワールと言えるのではないでしょうか。

まず、なんといってもイザベル・アジャーニのカメレオンぶりが魅力的。
文芸作品やシリアスな作品での彼女も悪くないですが(というか個人的には苦手かも)、こういったファム・ファタール的な役柄の方がもしかしたら彼女には向いているんじゃないですかね。
実際、これまで観た彼女の主演作の中でこの作品が一番好きかもしれません。

b171ecfc.jpegひょんなことから彼女を付回すことになる探偵役のミシェル・セローはもともと苦手なタイプの俳優なのですが、この作品ではあまり気にならずに観られました。

他にも、サミー・フレイが登場時間は短いものの重要な役柄で出演しているほか、クロード・シャブロル監督作品のミューズ、ステファーヌ・オードランがここでは本人とは信じがたいメイクで登場します。
ラストにちょっとだけ顔を出すマーシャ・メリル(ゴダール『恋人のいる時間』)も若い頃とほとんど変わりのない外見が嬉しい。

ちなみに、この映画の見事な撮影は『影の軍隊』、『まぼろしの市街戦』、『ママと娼婦』などカルト作品(?)を得意とする名手ピエール・ロム

フレデリック・シェンデルフェール監督の『裏切りの闇で眠れ』を国内盤DVDで観た感想です。

40aac10a.jpegTRUANDS』(2006年)
監督:フレデリック・シェンデルフェール
脚本:フレデリック・シェンデルフェール、ヤン・ブリオン
撮影:ジャン=ピエール・ソーヴェール
音楽:ブリュノ・クーレ
出演:ブノワ・マジメル、フィリップ・コーベール、ベアトリス・ダル、オリヴィエ・マルシャル、メーディ・ネブー、トメル・シスレー

初見。
昔のものばかりでなく、できるだけ現代のフレンチ・ノワールものも観ていきたいと常に考えていますが、これは公開時から気になっていながらも見逃してしまった作品。
この映画に関しては日本公開時の公式サイトがまだ残っています。

実際にこの映画を観た大雑把な感想としては(いつも大雑把ですが…)、期待していた作風とはかなり異なる出来栄えでした。
続出する残酷なバイオレンス・シーンやファ×ク・シーンには目を背けたくなりましたし(こんなシーンを入れないと昨今の観客は納得しないんですかね…)、裏社会の人間像にもあまり魅力を感じませんでした。

メルヴィルらが活躍していた当時のフレンチ・ノワールの時代は、(映画だからこそなのかもしれませんが)映画の中のギャングたちもどこか気品があるというか、立ち振る舞いにダンディズムが漂っていました。
しかし、この作品の登場人物たちにはそんなものはほとんど感じられず…悪く言えば、誰も彼もチンピラ同然です。
昨今の観客が求めるものがそうであったり、また、製作する側に昔のフレンチ・ノワールをリスペクトしようという意図がないのであれば、それはそれでしょうがないのですが…。

また、主役が誰か、軸となるべき人物が誰なのかどうもハッキリしません。
つまり、誰の立場に身を置いて映画を観れば良いのかよく分からないのです。

本来ならばフランク役のブノワ・マジメルがその立場なのかもしれませんが、観ていて印象が強いのはどう観てもクロード役のフィリップ・コーベールでした。
ブノワ・マジメルは、ルックスもいいのですが(面影が若い頃のロバート・デ・ニーロに似ています)、キャラクターがもう一つ伝わってこないもどかしさを感じました。

925247a1.jpeg一方で、クロード役のフィリップ・コーベールの切れキャラは役柄としてはそれなりの説得力があり、その風貌もどことなくジャック・ニコルソンに似ていました。
まぁ、あまり好きな顔ではありませんが…。

その中では、ジャン=ギィ役のオリヴィエ・マルシャルは魅力的な渋い雰囲気があり、途中まではいい感じだと思っていたのですけどね…。(なんとこの人は『あるいは裏切りという名の犬』(04年)の監督だった人です。作品としてはあっちの方がずっと良かったなぁ…)

クロードの妻役のベアトリス・ダル、どこかで聞き覚えのある名前ですが…なんとあの『ベティ・ブルー』(85年)の主演女優です。
それを知ってから、一挙にあの悪夢のような映画に引き戻されました…。(あの映画は苦手なので…)
肝心のこの映画の演技はなかなか良かったのですけどね。

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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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