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カーティス・メイフィールドは1942年シカゴ生まれ(~99年)。
58年にR&Bコーラス・グループ、インプレッションズのメンバーとしてデビュー、70年以降ソロ・アーティストとなっている。
マーヴィン・ゲイらと共に70年代の“ニューソウル”を牽引した重要な存在であり、当時のアメリカの黒人が抱える諸問題を取り上げた政治的なメッセージソングを数多く歌った。
70年代後半以降その傾向が弱まったとはいえ、世の中の不条理に音楽で物申す、いわゆる“社会派”のアーティストであり、なにより“愛の大切さ”を生涯かけて訴え続けた“愛”と“魂”のアーティストだったと言えるだろう。

本来、私は“ラヴ&ピース”系のアーティストやいわゆる社会派と言われるようなアーティストは苦手なのだが、カーティスは別だ。
一般的に、個々の楽曲としては『ピープル・ゲット・レディ』(65)や『ムーヴ・オン・アップ』、アルバムとしては『スーパーフライ』(72)や『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』(75)が代表作として挙げられると思われる。

カーティス・メイフィールドの音楽の魅力は、当然だが何よりもまず第一にその楽曲の素晴らしさである。
ファンキーな作品もラヴ・バラードも何もかもが素晴らしい。
とりわけ、バラードナンバーの素晴らしさは彼ならではとしかいいようのないものだ。
同時にその独特のファルセット・ヴォイスの魅力である。
なんと柔らかく、優しい歌声なのだろう。
これは、おそらく、彼の人柄そのものなのだ。
初めて聴く人は違和感を感じるかもしれないが、その声の魅力に嵌ったらもう抜け出せない。

もちろん、ワウペダルを多用したユニークなギターサウンド、ストリングス、ホーンのセンスの良い使い方など、卓越したアレンジ能力も忘れてはならないだろう。
特に、70年代初期のアルバムによく聴かれるストリングスの緊張感のある響きは独特の魅力がある。
ジャンル分けとしては、ソウルとかファンクとかR&Bとかいろいろ言われるし、おそらくどれにも当てはまるだろうが、その強烈な個性で“カーティス・メイフィールドの音楽”としか言いようのない彼独特のものとなっていると思う。

ここでは個人的に大好きな『THE MAKING OF YOU』(70)と『SO IN LOVE』(75)の2曲をユーチューブから紹介したい。
ここまで美しい音楽が世にいくつあるだろうか。
この項続く


PR

f6f38f0d.gifポピュラー音楽界において個人的に最も敬愛するソロ・アーティストは、男性ではカーティス・メイフィールド、女性ではフランソワーズ・アルディである。
敬愛という言葉は単に“好き”ということとは異なる。
もちろん、その音楽自体好きなことは好きなのだが、それと同等、もしくはそれ以上に“尊敬”というニュアンスが強い。
当然のことながら、若いアーティストに対してはなかなか持ちにくい感情だ。

とりあえず、これから何回かに渡ってカーティス・メイフィールドCURTIS MAYFIELD)に対する思いを綴ってみたいと思う。

男性ソロ・アーティストで私がこれまでの人生で一番よく聴いてきたのはおそらくボブ・ディランだろう。
膨大な数のアルバムが世に出ているが、これまでそのほとんどのアルバムを聴いてきたし、所有しているCDもおそらく一番多いと思う。
10年ほど前には来日公演にも行った。(今年は忙しくて無理だった)
しかし、業界的にもあまりにポピュラー過ぎるというか偉大過ぎて、敬愛という感じではない。

その点、カーティス・メイフィールドとの比較でちょっと迷ったのがブルー・アイド・ソウルの大物ヴァン・モリソンで、楽曲の素晴らしさ、ヴォーカルの魅力でもディラン、カーティスに引けをとらない存在だ。
この人も60年代から息の長い活動を続けており、近年精力的に発表しているアルバムが全盛時に劣らぬ充実ぶりなのもディラン並みである。
日本ではいまだ来日公演をしていないこともあってか、一般的には相変わらず無名に等しい存在だが、欧米では“リヴィング・レジェンド”としてしかるべき評価を受けているようで、近年のアルバムもよく売れているらしい。(もし、ヴァン・モリソンのことを知らなかったらザ・バンドのライヴ・ドキュメンタリー映画『ラスト・ワルツ』(76年。マーティン・スコセッシ監督)に出演した時の『キャラバン』を是非観て欲しい。ちなみに私はザ・バンドの大ファンでもある…) 



しかし、個人的にはやはりカーティスの方が“敬愛度”は上だ。
もちろん、カーティスの音楽そのものが好きだということが大きいが、上記2人が現在もキャリアと実力に見合った音楽的、社会的評価を受け、充実した余生?を送っているのに比べ、カーティスの場合、野外コンサート会場での照明機材の落下による頚椎損傷という悲劇的な事故(90年)、そして、57歳という若すぎる死(99年)に対する個人的なやりきれなさが彼に対する一方ならぬ思いの強さにつながっていないといったら嘘になるかもしれない。
この項続く
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テンプレ作った人:おみそ
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マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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