忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

フリッツ・ラング監督の『死刑執行人もまた死す』を国内盤DVDで観た感想です。

image164.gifHangmen also die』(43年)
監督:フリッツ・ラング
製作:フリッツ・ラング
脚本:フリッツ・ラング、ベルトルト・ブレヒト、ジョン・ウェクスリー
音楽:ハンス・アイスラー
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
出演:ブライアン・ドンレヴィ、ウォレター・ブレナン、アンナ・リー、デニス・オキーフ

私が観たのは134分のいわゆる完全版。
多少長く感じないこともなく、120分の短縮版でも良かったかもしれません。

映画のタイトルから想像するに、肝心の暗殺シーンまでにいろいろなサスペンスが用意されていると思いきや、むしろ暗殺から始まるプラハ市民の受難が大きく取り上げられた映画であったとは意外でした。
内容は分かりにくいということはないけれど、少々重苦しい。
テーマがテーマだけに仕方ないのでしょうが。
個人的には、もう少しストーリーの流れにスピーディーさがあると良かったかもしれません。
映画的なサスペンス感ももう一つ物足りなさを感じましたが、後半の展開があまりに出来すぎで、そのへんに納得がいかないのかも。
世間的な評価は高い映画のようですが、どうも私とは相性が悪かったようです。

主演のブライアン・ドンレヴィは、ハッキリ言って、主人公としては少々魅力薄な感が拭えませんでした。
むしろ、出番は少ないものの、ノヴォトニー教授を演じたウォレター・ブレナンの方が印象深かったですね。
ヒロインのアンナ・リーはこの作品では容姿の魅力も今一つで、脚本のせいもあってか、役柄の心理的変化がもう一つ伝わってこないきらいがあります。

国内盤DVDの画質はこのメーカー、この時代のものとしてはまずまず。

PR

image129.gifフリッツ・ラング監督の『メトロポリス』(27年)を紀伊国屋書店クリティカル・エディションのDVDにて鑑賞。
この作品を観たのは今回が初めてですが、DVDの画質はかなり良いと思います。

私は普段、SF作品はほとんど観ませんが、この作品にはずっと興味ありました。
というのも、私はこの映画のロボットの実物に対面したことがあるからです。

パリのシネマテーク・フランセーズ映画博物館にこの映画で使われたロボットが展示されており、昨年そこを訪れた際、実物に対面したのでした。
その時点でこの映画は観ていませんでしたが、基礎知識程度はあったので、それなりの感慨はあったのですが、実際にこの映画を観てから対面すると、おそらくはもっと感激したことでしょうね。

DSC01873.JPGシネマテークの博物館では、備え付けのビデオでこの映画のロボットの登場シーンが繰り返し流れていたのですが、そこで見た、ロボットの動き出すシーンのインパクト(不気味さ?)は忘れられません。
残念ながら、館内は写真撮影ができませんでしたので、写真を紹介することはできませんが、シネマテークの外観だけでも紹介します。


そこで、肝心の映画を観ての感想ですが、一言で言えば、「物凄い傑作だとは感じたが、観終わってどっと疲れた」という感じでしょうか。
観ていて疲れてしまったのは、俳優の演技があまりに大仰であることが大きな理由でしょう。
これがドイツ表現主義というのかどうか知りませんが、出演者たちの舞台俳優のような派手なメイク、正邪の違いがハッキリと色分けされたキャラクター、まるで合唱でも歌い出しそうな群集たちの活き活きとした動きなど、まるでワーグナーのオペラを観ているような感覚にとらわれました。

マリア役のブリギッテ・ヘルム、息子フレーダー・フレーダーセン役のグスタフ・フレーリヒによる若い男女のシーンは、どことなく『タンホイザー』の一場面を思い出しましたし、ジョー・フレーダーセンロートヴァングの二人の絡みは、ミーメ、アルベリヒなどの『ニーベルングの指環』の登場人物たちの絡みを髣髴とさせるものがありました。

とりわけルドルフ・クライン=ロッゲ演じるロートヴァングのキャラクターが強烈でしたが、主演の男女二人のキャラクターは、少々キレイ事に過ぎる感じがして、(ルックスも含め)正直、魅力はあまり感じません。

映画に、思想的なスローガンの影をチラチラ感じてしまうと(映画的にもどれだけ重要性があるのか分かりませんが)、個人的にどことなく退いてしまうので、そのせいで登場人物にあまり共感できなかったというのもあるかもしれませんが。

image130.gifそれでも、この作品が映像作品として観る者を惹きつけてやまない強烈な魅力があるのも確かで、大変な傑作であることには疑いがありません。
機械の動きなど、この時代としては驚異的なものでしょうし、後半の群集の動きの凄まじさには全く驚かされました。
1920年代のドイツ映画ということで、群集たちの動きにその後のドイツ国家の行く末を思い、感慨深いものがなくもないのですが…。

修復されたこのDVDでも、作品の4分の1はプリントが失われたために収録されておらず、その部分のストーリーは字幕で補われていますが、最近どうやら新たにプリントが見つかったとの情報もあり、この素晴らしいDVDを持ってしても、作品を評価するにはまだ早いのかもしれません。

[1] [2] [3]
テンプレ作った人:おみそ
今すぐブログ始めるなら:[PR]

PR:忍者ブログ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。
カテゴリー
最新コメント
[04/14 マサヤ@管理人]
[04/10 mon]
[11/07 マサヤ@管理人]
[11/06 mon]
カウンター
忍者AdMax
NINJA TOOLS
アーカイブ