[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
クライテリオン盤DVD『サムライ』の特典映像に収録されているフランソワ・ペリエのインタビューを翻訳して紹介します。
フランソワ・ペリエは、『サムライ』で警視役を演じており、後には『仁義』でナイトクラブのオーナー(サンティ)を演じています。
どちらも素晴らしい演技であることはメルヴィルも認めていますし、映画を観る我々にも明らかなことでしょう。
これは、1982年6月13日放送のインタビューであり、『サムライ』(67年)撮影から15年後のインタビューになります。
ナレーション 1956年にルネ・クレマンとフェリーニの映画に出演、その後、多数の役柄を演じてきたフランソワ・ペリエは、メルヴィルの傑作(『サムライ』)に出演することになる。
ペリエ メルヴィルはワンマンだった。
ほとんどサディストだよ。
俳優には厳しかったな。
自分自身にもそうだったが、俳優には本当に厳しかったんだ。
『サムライ』の撮影が始まってすぐ、私にはとても長いセリフのシーンがあってね。
ナタリー・ドロンと一緒のシーンなんだが、ずっと私がセリフを喋りっぱなしなんだ。
私はジャン=ピエールに聞いたもんさ。
「どこまで撮るんだ?」
彼には、「どこまで撮ったらカットになるんだ?」という私の言いたいことの意味が分かっていたよ。
私には演技を整理する必要があったからね。
しかし、彼の答えはこうだ。
「よし、全部ワンカットで撮るぞ!」
正気じゃないよ!
彼は確かに気難しい男だった。
だが、映画に関してはクレイジーだ。
全くクレイジーだよ!
まるで映画館の暗闇の雰囲気の中だけに生きているような男だった。
彼は日光が嫌いで、スタジオの中に生きていた男なんだよ。
映像ではインタビュー映像とともに、『サムライ』のシーン(ペリエ演じる警視のオフィスのシーン)がいくつか流れますが、インタビューの中で、ペリエが指摘しているワンカットのシーンとは、ペリエら警察が、ナタリー・ドロン演じるジャーヌの部屋に家宅捜索のため押し入り、偽証罪になるぞ、と脅すシーンのことだと思われます。(画像のシーンです)
事実、このシーンを観直しますと、ナタリー演じるジャーヌにセリフはほとんどなく、ペリエが喋りっぱなし、しかも、ほぼワンカットで撮られています。
ちなみに、冒頭のナレーションで指摘されているルネ・クレマンとフェリーニの作品は、『居酒屋』と『カビリアの夜』のことだと思われます。
それにしても、このインタビュー、メルヴィルを語る際のペリエの呆れたような表情が印象的です。
『サムライ』撮影から15年経った後のインタビューですが、当時のことが、相当強い印象として残っていたのでしょう。
しかし、ペリエの呆れ顔を見るにつけ、“あいつには敵わない”と思わせるような押しの強さがメルヴィルにはあったのではないかと思わされます。
実は・・・私昔々に『サムライ』をTVで観ておりまして
(ご承知のようにその頃はドロンファンではありません・・・)
一番印象に残ってるシーンがこのナタリーとの会話シーンだったのです
ペリエ氏本当にしつこかったです!
そして、私的にはナタリーの芯の強い態度に惚れ惚れしたものです
最期はご病気で亡くなられたと聞いております
ドロン氏の監督作品『鷹』では悪役を演じてらっしゃいました
でも、『サムライ』の警視の役が一番好きです!
存在感のある役者さんだったかと思います・・・
※BBSで触れられていたのでお知らせ致しますが
ドロンさまはもうTV出演の収録を終えられて帰国されてます
本当に短い極秘来日だったかと思います・・・
確かにこの会話シーンは『サムライ』の中でも印象的なシーンかと思います。
よく観ると、ペリエ氏の言うとおり、ほぼワンカットで撮っています。
俳優さんに実力がなくてはこうはいかないはずで、それだけメルヴィル監督もペリエ氏の実力を買っていたということだと思います。
皮肉な味が効いているのもいいですね。
また、ペリエ氏の話を受けてのナタリーの表情の変化も絶妙で、とてもこれが映画初出演とは思えません。
思えば、ナタリー嬢、カティ嬢と映画初出演の女性を重要な役に抜擢しているのはスゴイことですよね。
ドロン氏はもう帰国されたのですね。
ほとんどとんぼ帰りだったようですね。
またの来日を楽しみにしたいと思います。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。