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以前挙げた私の好きなジャズ・アルバム・ベスト20の中から今回取り上げるのは⑧(順位ではありません)に挙げたビル・エヴァンス『ザ・パリ・コンサート』(エディション1)。
BILL EVANS『THE PARIS CONCERT EDITION ONE』
①アイ・ドゥ・イット・フォー・ユア・ラヴ②クワイエット・ナウ③ノエルのテーマ④マイ・ロマンス⑤アイ・ラヴ・ユー・ポーギー⑥アップ・ウィズ・ザ・ラーク⑦オール・マイン⑧ビューティフル・ラヴ
ビル・エヴァンス(p)、マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラヴァーベラ(ds) (79年11月26日)
(私が所有しているCDは2001年に発売されたBLUE NOTE盤。最近ワーナーから紙ジャケが発売されました。)
ビル・エヴァンスの名盤といえば、リバーサイド4部作(『ポートレイト・イン・ジャズ』『エクスプロレイションズ』『ワルツ・フォー・デビイ』『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』)で決まり、というのが世間の定説となっています。
4部作は確かに内容も素晴らしく、夭折した名ベーシスト、スコット・ラファロが参加していることでも不滅の価値を持っていると言えます。(ドラムのポール・モチアンも素晴らしい!)
私ももう20年ほどこれらのアルバムを聴いていますが、何度聴き返してもいまだに新鮮で、全然飽きないのには驚かされます。
ただ、エヴァンスに他にも数多くの優れたアルバムが存在することは改めて言うまでもありません。
とりわけ、各年代に渡って、ライヴ盤に傑作が多いのもエヴァンスの特徴でしょう。
例えば、ジャック・ディジョネット(ds)と組んだモントゥルーのライヴ盤、エディ・ゴメス(b)、マーティ・モレル(ds)と組んだライヴ盤の数々など、好きなアルバムには事欠きません。
ここに取り上げたアルバムは、エヴァンスの晩年のパリにおけるライヴ盤です。(エディション2もあり)
晩年といっても、体力的になお余力があったのか、死の直前に残された他のいつくかのライヴ盤のような荒さや乱れはここではまだほとんど感じられません。
マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラヴァーベラ(ds)とのトリオは活動期間わずかに1年半という短いものでしたが、その音楽の充実度において他の時代に決して劣るものではなかったということがこれを聴けばよく理解できます。
内容的には、トリオといっても、いつに増してエヴァンスのソロが大きくフューチャーされており、ピアノの音色の美しさが際立った演奏が続きます。
その詩的で気品ある演奏は、他のアルバムにもない特別な雰囲気があり、このアルバムならではの魅力を感じます。
しかも、ラストに『ビューティフル・ラヴ』が収められているのが個人的にはツボ。
もともと私は『ビューティフル・ラヴ』という曲自体が大好きで、世の中で最も素晴らしい曲ではないかとすら感じているくらいなのですが、ビル・エヴァンスの演奏する『ビューティフル・ラヴ』にはスタジオ盤、ライヴを問わず、特別な魅力を感じます。
特に、ブエノスアイレスにおけるこの曲のライヴは最高ですが、海賊盤なので、機会があればまたいつか紹介したいと思います…。
ちなみにこの曲、ヴォーカルではヘレン・メリルが最高。(アルバム『ヘレン・メリル・ウィズ・ストリングス』収録)
正しくビル・エヴァンスの気品ある繊細な洗練された音色のピアノでなければ、あのモード・ジャズの最高傑作『カインド・オブ・ブルー』は完成されてなかったでしょうね。
しかしお恥ずかしながら、ビル・エヴァンスの晩年の作品はちょっと聴いてないものでして…。
ですからこの『ザ・パリ・コンサート』もまだ聴いたことがないんですよね…。
でも管理人さんのオススメ作品ですから是非聴いてみたいと思います。
因みに私が好きな楽曲は、やはり至高の名盤『ワルツ・フォー・デビイ』の一曲目『マイ・フーリッシュ・ハート』ですね…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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