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ジャン=リュック・ゴダール監督の『はなればなれに』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想。
『BANDE A PART』(64年)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
原作:ドロレス・ヒッチェンズ
撮影:ラウール・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスール、ルイーザ・コルペイン
再見。
これはDVDも持ってますし、スクリーンでも観たこともある、ゴダール作品の中でも特に好きな作品の一つ。
久々に観直しましたが、やっぱり良かったです。
DVDの解説によれば、原題は『はずれた一味』という意味。
犯罪と恋愛を絡めた三角関係モノで、ゴダールにしてはストーリーがシンプルですが、印象に残るシーンといったら、マディソン・ダンスのシーン(アンナ・カリーナの振付)、一分間沈黙するシーン、地下鉄のシーン、アルチュールの叔父との乱闘シーン、ルーヴル美術館を全力疾走するシーン等々、実はストーリーにはあまり関連のないシーンばかり。
主演の三人が皆魅力的ですし、また、その関係のバランス感覚が絶妙。
アルチュール役のクロード・ブラッスールはあの名優ピエール・ブラッスール(『天井桟敷の人々』『リラの門』)の息子で、初めて観た時はなんかもっさりしたアンチャンだな、と思ったものですが、じっくり観ると、実はなんとも味のある魅力的な俳優ですね。
フランツ(サミー・フレイ)の方が分かりやすい二枚目なので、映画の中でオディール(アンナ・カリーナ)がアルチュール(クロード・ブラッスール)の方に惹かれる理由が初めはわからなかったのですが、今回ようやく分かった気がしました。
それにしても、あのロベール・アンリコ監督の『冒険者たち』(67)もそうですが、どうしてフランス映画の女性たちは二枚目よりももっさり系の方になびいてしまうんでしょうか…。
それはともかく、サミー・フレイも魅力的であることには違いなく、黒のソフト帽にベージュのステンカラーコートというファッションがいかにも犯罪モノに合っていて魅力的でした。
ダブルのスーツの着こなしも様になってカッコいい。
そして、やっぱりアンナ・カリーナですね。
この人は表情の作り方が実に上手いですよ、ほんと。
それにしても、この映画のミシェル・ルグランの音楽は素晴らしい。
オルガンとかギター、ドラムの使い方なんか最高です。
オープニング・クレジットのミシェル・ルグランの名前のところに“最後の映画音楽”という文字が出ますが、事実、ゴダールとルグランのコラボはこの後に短編ではいくつか続きますが、長編ではこれをもって打ち切りとなるわけです。
山田宏一著『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』(ワイズ出版)には、当時ハリウッド進出で多忙を極めたルグランが、ゴダールに条件(ギャラ)の見直しを求めたのが件の一文(“最後の映画音楽”)の原因ではないかという関係者の証言が紹介されていますが、真相は藪の中です。
ところで、カフェのシーンで、トイレでメイクをしているのはシャンタル・ゴヤ(『男性・女性』)ですよねぇ?
他にもワンシーンどこか出ていたような気が。
当ブログに本日出会い、楽しく拝見させていただきました。
当方ジャズ大好き人間です。
当映画の内容とは異なって、
ジャズの話で恐縮ですが。
では早速。
先日発売された、カナダのNick Ayoub Quintet
の”THE MONTREAL SCENE”やFontana盤の
”JAZZ QUINTET 60,,!”(1963)、
DAIMOND FIVEの”Brilliant!”等、この辺が
お好きな様ですが、それなら、ご存知ですか?
まだ未購入ならば、スウェディッシュ
Staffan Abeleen Quintetの
”Downstream”(1966)は、ピアノ、
サウンドとも最高!、大推薦◎5★です。
ぜひ、一度お聴きください。
(2枚出ていますが、こちらがお奨めです)
はじめまして。
コメントいただきましてありがとうございます。
Staffan Abeleen Quintet『Downstream』もご紹介いただきありがとうございます。
このアルバムのジャケットはCD紹介本などでよく見るのですが、未聴なのでとても興味あります。
調べましたらCDは出ていないみたいですね…当方LPを聴けるハード環境にないのでその点が残念…。
またいろいろとご教授いただけたら嬉しいです。
通販(AmazonかHMV)でよろしければ、
”Staffan Abeleen”で検索かけていただければ、
輸入盤ですが、CDでも購入可能です。
一度みていただければと思います。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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