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ジャン・ルノワール監督の『ゲームの規則』を国内盤DVD(紀伊國屋書店)で観た感想。
『LA REGLE DU JEU』(39年)
監督・脚本:ジャン・ルノワール
撮影:ジャン・バシュレ
音楽:ロジェ・デゾルミエール
出演:マルセル・ダリオ、ジャン・ルノワール、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン、ポーレット・デュボスト、ミラ・パレリ、オデット・タラザク、ジュリアン・カレット
再見。
現在では映画史上の名作と讃えられる作品だが、いわゆる“面白い”映画を期待したらたいていの人が裏切られるのではないか。
正直なところ、ストーリー的な面白みであったり、俳優(女優)陣のオーラだったりとかはあまり感じられない映画だ。
私も初めて観た時は狩のシーンやパーティーのシーンが長過ぎるように感じて仕方なかった。
つまりは、面白く感じなかったのだ。
キャストでも、初めて観た時に大きな不満を感じたのはヒロインであるクリスティーヌ役のノラ・グレゴール。
ヒロイン役の女優としてはあまりにも魅力がなさ過ぎる。
噂では、当初ジャン・ルノワール監督はシモーヌ・シモン(『獣人』)にこの役を依頼したが、高額なギャラを要求されたために断念したのだという。
なんとも残念な話ではあるが、もしかしたら、シモーヌ・シモンならばセックスの要素が前面に押し出され、もっと生臭い映画になっていたかもしれない。
その意味では、(観慣れてきたせいもあるが)ノラ・グレゴールの方がこの役には適役だったのかもしれない。
いや、やはりそれでも、この役にはもっとセックスの匂いがないと、ここまでこの女性が複数の男たちを惹き付ける原因が理解できない気がするのは私自身が男だからか…。
ところで、この映画を観るのは今回で4回目ぐらいになるが、最初から最後までとても面白く観た。
不思議なことに、以前はあれほど長く感じた狩のシーンやパーティーのシーンがちっとも長く感じない。
余計な期待をしていないせいもあるが、俳優たちにもほとんど不満はない。
とりわけ、マルセル・ダリオと、“俳優”ジャン・ルノワールが素晴らしい。
後半のドタバタぶりは今観ても圧倒的だ。
ただ、やはり、今さらながら思う。
もっと魅力のある女優がヒロインを演じていたら、この映画がもっと好きになっていたことは間違いないだろう、と。(我ながらしつこい)
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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