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デイヴィッド・リンチ監督の『イレイザーヘッド』を国内盤DVD(パイオニアLDC)で観た感想。
『ERASERHEAD』(76年)
監督・製作・脚本:デイヴィッド・リンチ
撮影:フレデリック・エルムズ
音楽:ピーター・アイヴス
出演:ジョン(ジャック)・ナンス、シャーロット・スチュワート、アレン・ジョセフ、ジーン・ベイツ、ローレル・ニア、ダーウィン・ジョストン
再見。
デイヴィッド・リンチの長編処女作。
撮影に5年の歳月がかかったという。
私はデヴィッド・リンチのファンを自任しているが、この映画を初めて観た時、もう二度と観たくないと思った。
その理由はこの映画を観たことがある人ならお分かりいただけるだろう。
実際、それから10年以上観ていないが、数年前にビデオメーカーから新しい国内盤DVDが発売されたと聞いて以来、またこの作品のことがずっと気になってしまっていた。
リンチ・ファンの端くれとして、新盤を思いきって買ってみようかとも思ったが、とりあえず、レンタルで旧盤DVD(パイオニアLDC)を観てから購入を考えよう…それが今回観たキッカケである。
他のデイヴィッド・リンチ作品にも共通することだが、ストーリーを追ってもあまり意味はない。
映像を、映画をそのまま感じるのが重要だが、それだけに感性に訴えかける力はすごい。(その意味において最新作『インランド・エンパイア』も凄かった)
それにしても、こんなにコワい映画はない。
観ている間中、ずっと恐ろしい映画だと思い続けていた。
とにかく悪夢としか思えない映画だが、これほど音が重要な映画も他にないのではないのではないか。
ゴーっという工場?の音も、風の音や雨の音も、通奏低音のように鳴り響くが、いちいち観る者を不安に陥れる。
例の赤ん坊については、やはり直視に耐えぬシーンが連続する。
何度目を塞いだことか。
結論として新盤DVDを買う勇気は持てなかった。
この映画を愛せるだけの度量は私にはないらしい。
良く言えば、それは私がまだ正常な感性を持ち合わせているということかもしれないが、デイヴィッド・リンチのファンとしてそれは失格だろう…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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