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私もこれまで輸入DVDで観てきた作品ですが、日本語字幕つきで観られるのは嬉しい限りです。
まだ読み始めたばかりですが、かなり面白いです。
フィルム・ノワールに関する項目もあります。
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー、レイモンド・チャンドラー
撮影:ジョン・サイツ
音楽:ミクロス・ローザ
出演:フレッド・マクマレイ、バーバラ・スタンウィック、エドワード・G・ロビンソン
ちょっとした表情の演技も印象的。
あと、この映画で忘れてはならないのは、ミクロス・ローザの緊張感のある見事なスコア。
スタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』を国内盤DVDで観た感想。
『THE KILLING』(56年)
監督・脚本:スタンリー・キューブリック
撮影:ルシアン・バラード
音楽:ジェラルド・フリード
出演:スターリング・ヘイドン、マリー・ウィンザー、コリーン・グレイ、ヴィンセント・エドワーズ、ジェイ・C・フリッペン、テッド・デ・コルシア、ティモシー・ケリー、イライシャ・クック・ジュニア
再見。
フィルム・ノワール随一の傑作。
この作品を残しただけでもキューブリックは偉大である。(ちなみにカラーになってからのキューブリック作品はあまり好きではない…)
時間の進行を立体的に前後させて描いたユニークな構成が見事な効果を挙げており、ルシアン・バラードによるスタイリッシュなモノクロ映像も素晴らしい。
主演のスターリング・ヘイドンも良く、タフガイとしての存在感だけでなく、どことなく男の哀愁が感じられるのが魅力。
また、マリー・ウィンザーが史上最強(?)のファム・ファタールを演じており、イライシャ・クック・ジュニアが独自の怪演ぶりで存在感を発揮しているのも嬉しい。
アレクサンダー・マッケンドリック監督の『成功の甘き香り』を国内盤DVDで観た感想です。
『SWEET SMELL OF SUCCESS』(57年)
監督:アレクサンダー・マッケンドリック
原作:アーネスト・レーマン
脚本:クリフォード・オデッツ、アーネスト・レーマン
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:トニー・カーティス、バート・ランカスター、スーザン・ハリソン、マーティン・ミルナー、バーバラ・ニコルス
再見。
フィルム・ノワールの古典の一つに数えられる傑作ですが、内容はギャングものではなく、マスコミ業界の内幕を鋭く抉った“社会派ノワール”とも評される作品であり、ここには殺しや拳銃は登場しません。
主人公は新聞の権威あるコラムニスト(バート・ランカスター)と、それにくっついて仕事を得ているプレス・エージェント(トニー・カーティス)の二人。
コラムニストの妹はクラブで働くギタリストと結婚寸前であり、ランカスターとカーティスは様々な手段を使ってこの二人を別れさせようとします。
ある意味、殺しよりもタチの悪い人間の姿がこれでもかと描かれています。
その内容が受けなかったのか、公開当時この映画は当たらず、監督のアレクサンダー・マッケンドリックは自身の監督としてのキャリアをほとんど失ってしまったといいます。
実際、撮影現場では監督とランカスターの意見の対立が幾度となく見られたとか。
私も初めて観た時はその内容にかなり面食らいましたが、今回観直してみて、なんとも抗し難い魅力を感じました。
確かに観る人によって好みは分かれそうですが、内容は実に見ごたえがあります。
キャストも、狡猾で神経質なコラムニストを演じたバート・ランカスターは見事な演技。
プレス・エージェント役のトニー・カーティスも実に素晴らしい。
その人物になりきっているかのようなハマリ役であり、演技もランカスターに劣らぬ見事なものです。
そして、所々に登場する、ロケ撮影によるニューヨークの街の描写がこの映画の圧倒的な魅力。
オープニングのNYの夜景をバックにエルマー・バーンスタインによるビッグ・バンド・ジャズが流れるところからして素晴らしい。
“ベスト・NY・ムービー”と評されるのも納得です。
想像しますに、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『マンハッタンの二人の男』(58年)はこの作品に大きな影響を受けたのではないでしょうか。
実際、メルヴィル監督は、ルイ・ノゲイラ著『サムライ』において俳優のダニエル・コーシー(メルヴィルの『この手紙を読むときは』『賭博師ボブ』に出演したがキャリアを築けなかった)について問われた際、この作品にも言及しています。
“彼なら(引用注:コーシーのこと)、たとえばアレクサンダー・マッケンドリックの『成功の甘き香り』〔一九五七年〕のトニー・カーティスに匹敵し得る役なんかも演じられたろうにな。”(引用―『サムライ―ジャン=ピエール・メルヴィルの映画人生』ルイ・ノゲイラ著 井上真希訳 晶文社刊 より)
ナイトクラブのシーンでは、チコ・ハミルトンのグループの音楽をフューチャーしており、実際にハミルトンらも出演しています。
ウェスト・コースト・ジャズ(西海岸のジャズ)で当時名を馳せていたチコ・ハミルトンのグループをNYを舞台にした映画に出演させている点も面白いところでしょう。
フルートやチェロを使ったそのユニークなサウンドが、映画に違和感なく溶け込んでいます。
グループのギタリスト、スティーヴはランカスターの娘のフィアンセという設定であり、これを演じるのは俳優のマーティン・ミルナーなので、バンドのシーンでギターをちゃんと弾けているように見えないのがちょっと残念ですが。
エリア・カザン監督の『影なき殺人』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想です。
『BOOMERANG』(47年)
監督:エリア・カザン
脚本:リチャード・マーフィ
撮影:ノーバート・ブロダイン
音楽:デヴィッド・バトルフ
出演:ダナ・アンドリュース、リー・J・コッブ、ジェーン・ワイアット、アーサー・ケネディ、サム・レヴェン、ロバート・キース、テイラー・ホームズ、エド・ベグリー、カール・マルデン、カーラ・ウィリアムズ、バリー・ケリー
実話を元にしたというセミ・ドキュメンタリー・タッチのサスペンス映画で、製作年代を反映してか、フィルム・ノワール色も感じられる作品。
作品自体、内容も大変面白く、テンポもいい。
ユーモアにも富んでいます。
傑作とか名作とかいった風格には乏しいかもしれませんが、これはなかなかの良作ではないでしょうか。
とりわけ、映画後半で検事が目撃者たちの数々の証言を覆してゆく展開は見事でした。
キャストも一見地味ながら、この時代のアメリカ映画をよく観ている人なら、知る顔知る顔のオンパレードではないかと思われます。
悪役のイメージが非常に強いリー・J・コッブが良い人の役を演じている映画を観たのはこれが初めてかもしれません。
もちろん、検事役のダナ・アンドリュースも素晴らしかったです。
ポール役の俳優は、最後のフィルム・ノワールとも言われているロバート・ワイズ監督の『拳銃の報酬』(59)にも出演しているエド・ベグリー。
記者役を演じているヒゲの俳優はロバート・シオドマク監督の『殺人者』(46)で刑事役を演じていたサム・レヴェンでした。
カザン作品の常連、カール・マルデンも刑事役で出演しています。
ジュールス・ダッシン監督の『街の野獣』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想です。
『Night and the City』 (50年)
監督:ジュールス・ダッシン
脚本:ジョー・アイシンガー
撮影:マックス・グリーン
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:リチャード・ウィドマーク、グーギー・ウィザース、ジーン・ティアニー、ヒュー・マーロウ、スタニスラウス・ズビスコ、ハーバート・ロム、マイク・マズルキ
初見。
私がこれまで観たジュールス・ダッシンの監督作品ではなんといってもフランスで撮った『男の争い』(55)が最高でしたが、アメリカで撮った『深夜復讐便』、『裸の町』などの作品も実に良かったです。
『街の野獣』は赤狩りでダッシンがアメリカを追われた後にロンドンで撮った映画とのこと。
原題が『Night and the City』というように、実際、ロンドンの街角もところどころに登場する作品なのですが、あのリチャード・ウィドマークが主演で、ジーン・ティアニー共演ということもあって、個人的にもずっと観たかった作品でした。
プロレス興行の内幕を舞台に(といっても暴露的なものではない)一攫千金を目指す主人公の転落の過程をどこか突き放したような語り口で描いておりますが、ストーリーそのものはそれなりに面白いわりに、印象としては少々期待外れ。
その理由は、リチャード・ウィドマーク演じるハリー・ファビアンの行動にほとんど感情移入できないのが大きい気がします。
むしろ、彼に振り回されている連中の方が(彼らとて必ずしも善人ではないが)、観ていて気の毒になってしまう。
リチャード・ウィドマークの演技自体は大変な熱演なのですが。
ジーン・ティアニーもあまり登場シーンがなく、しかも、そのキャラクターも今一つハッキリせず、魅力に欠ける印象です。
むしろ面白かったのは、ナイトクラブの夫婦のキャラクターでした。
ちなみに、伝説のレスラー、グレゴリウス役を演じているスタニスラウス・ズビスコは、実際に本物のレスラーで、第12代世界ヘビー級王者(後のNWA世界ヘビー級王者)であり、あのハーリー・レイスをデビュー前に指導したという本当に伝説のレスラーだったようです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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