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ある事情を知ってしまったためにルミナス毒を盛られてしまった男の話。
毒が体に周ったために死を間近にした男が、警察に行って事件の回想をするところから映画は始まります。
原題の“D.O.A”は、“Dead of Arrive”、つまり、“到着時死亡”の意味であることがラスト・クレジットに表示されます。
途中からストーリーがややこしくなって、よく理解できませんでしたが、映画の雰囲気とかは完全なフィルム・ノワール。
きちんとストーリーが追えれば結構面白い作品だと思います。
ルドルフ・マテは、『生きるべきか死ぬべきか』、『海外特派員』、『美女ありき』などの撮影監督を務めた人で、この作品が監督デビュー作とのことです。
●『裸のキッス』(64年、監督:サミュエル・フラー、出演:コンスタンス・タワーズ、マイケル・ダンテ)
まず、冒頭のタイトル・バックが素晴らしい。
鏡の前で見繕いするヒロインのコンスタンス・タワーズの表情がたまらなくいい。
そこからの映画の展開は意外なほど平凡だったりして、少々期待外れかと思わされるのだが、後半見事に期待に応えてくれる。
個人的に、犯罪に子供が絡んでくる映画が苦手なので、これも正直、あまり好きな映画とは言えないのだが。
映画を観ている間、映像の雰囲気がどこかで観た映画と同じという印象を持ったが、後で調べたら、『狩人の夜』と同じスタンリー・コルテスのキャメラだった。
●『ガラスの鍵』(42年、監督:スチュアート・ヘイスラー、出演:アラン・ラッド、ヴェロニカ・レイク)
以前観た『拳銃貸します』に続く、アラン・ラッド&ヴェロニカ・レイクのコンビの出演作品。
原作は『マルタの鷹』でも知られるダシール ハメット。
この作品は、スピーディな展開が心地良いし、ストーリーも面白く、存分に楽しめる。
『拳銃貸します』よりも出来は良いのではないか。
アラン・ラッドのキャラクターは『拳銃貸します』に近く、ニヒルな魅力が素晴らしい。
確かビデオのパッケージには黒澤明の『用心棒』はこの作品に影響されたとの記述があったが、なるほど、アラン・ラッドが仲間と喧嘩別れしたフリをして、敵方に潜り込むところなど、似たような展開が途中にある。
この原作で、フランク・タトル監督、ジョージ・ラフト主演による映画化版(1935)もあるようで、それも機会があれば観てみたい。
『熱砂の秘密』はビリー・ワイルダーのハリウッド進出2作目に当たる作品で、有名な『深夜の告白』や『失われた週末』はこれより後の作品となる。
第2次大戦におけるエジプトでのイギリス軍とドイツ軍の対立を背景とした作品で、反ナチ色の強い作品だが、これまた実に優れたスパイ・スリラー作品で、ストーリーの面白さに釘付けとなってしまう。
ドイツ軍のロンメル将軍を演じたエーリヒ・フォン・シュトロハイムの存在感が圧倒的であり、名優の一挙手一投足を堪能できる点でも嬉しいし、ミクロス・ローザの緊張感のあるスコアも素晴らしい。
『罠』は八百長の絡んだボクシングの試合をサスペンスタッチで描いた作品で、完璧といってよいような完成度の高さを誇る作品。
劇中の時間と実際の映画の上映時間を同時進行させる設定も見事。(昔観た『真昼の決闘』でも同じような設定があった)
ボクシングに特に興味のない人には、映画で俳優のファイトシーンを見せられるのは如何かと思われるだろうが、この作品はセコンドや観客の表情、反応だけでも充分映画になっている。
戦争で負傷し、記憶を喪失したジョージ・テイラーという男が、過去の自分を知る手がかりとしてラリー・クラバットなる人物を探すが、そこからさまざまな事件に巻き込まれる…というお話。
これは面白かったですね。
謎が謎を呼ぶストーリーが無駄なく展開し、飽きさせません。
主演の二人の魅力が今一つという印象はありますが、脇を固めるリチャード・コンテ、ロイド・ノーランといったところが良い味を出しています。
この時代の20世紀FOXのノワール作品には外れがないですね。
このところ40年代後半のアメリカ映画のフィルム・ノワール作品を続けて観ましたので、そのメモです。
●『闇の曲り角』(46年、監督:ヘンリー・ハサウェイ、出演:マーク・スティーヴンス、ルシル・ボール、クリフトン・ウェッブ)
●『死の接吻』(47年、監督:ヘンリー・ハサウェイ、出演:ヴィクター・マチュア、リチャード・ウィドマーク、ブライアン・ドンレヴィ)
●『情無用の街』(48年、監督:ウィリアム・キーリー、出演:マーク・スティーヴンス、リチャード・ウィドマーク、ジョン・マッキンタイア)
どれも20世紀FOXの作品なのですが、ほぼ同時期の作品ということもあって、監督、キャストなど、いろいろ共通点があります。
『闇の曲り角』と『情無用の街』の撮影はジョー・マクドナルド、『死の接吻』の撮影はノーバート・ブロダインです。
『闇の曲り角』
殺人事件に巻き込まれてしまう探偵のお話。
主演のマーク・スティーヴンスが魅力的。
風貌がコーネル・ワイルドとちょっと重なる印象がありますが、どことなくセルジュ・レジアニにも似ている気もします。
先日観た『ガラスの鍵』にも出ていたウィリアム・ベンディックスがここでも持ち味を発揮。
ヒロインのルシル・ボールの明るさがノアールとは異質な感もありますが、これはこれで魅力的。
『ローラ殺人事件』でも印象的だったクリフトン・ウェッブが、ここでも同じような役柄をこなしています。
ストーリーもなかなかよく出来ていて個人的にも好きな作品です。
『死の接吻』
主演のヴィクター・マチュアのキャラクターが若干魅力に欠けるものの、この作品で鮮烈デビューを飾ったリチャード・ウィドマークの存在感がなんとも印象的。
彼の怖さを印象付ける演出が見事。(画面に不在でも存在感を感じる!)
『闇の曲り角』と同じヘンリー・ハサウェイ監督の作品ですが、ストーリー的には『闇の曲り角』より一枚落ちる感はあるものの、冒頭の宝石強盗からエレベーターで下るあたりの緊張感のある描写など印象的。
やはり『ガラスの鍵』で悪徳政治家を演じていたブライアン・ドンレヴィが、ここでは全くイメージの異なる検察官役を好演。
『情無用の街』
FBIの内幕をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた作品。
後半よく理解できないシーンがありましたが、ストーリー的にもかなり面白かった作品です。
これもやはり『闇の曲り角』と同じマーク・スティーヴンス主演作で、彼個人の魅力としては『闇の曲り角』の方が上という感じがしますが、ここでも、敵役のリチャード・ウィドマークの存在感が光ります。
『死の接吻』よりも後の作品ということもあって、演技にさらに磨きが掛かっている印象。
単にコワいだけでなく、人間的な愛嬌も感じさせるのが俳優としての彼の魅力でしょう。
主演作の『街の野獣』(監督:ジュールス・ダッシン)が観たい…。
あと、『アスファルト・ジャングル』(監督:ジョン・ヒューストン)のコミッショナー役ジョン・マッキンタイアが脇役で出ているのも嬉しいところ。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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