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ジュールス・ダッシン監督の『街の野獣』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想です。
『Night and the City』 (50年)
監督:ジュールス・ダッシン
脚本:ジョー・アイシンガー
撮影:マックス・グリーン
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:リチャード・ウィドマーク、グーギー・ウィザース、ジーン・ティアニー、ヒュー・マーロウ、スタニスラウス・ズビスコ、ハーバート・ロム、マイク・マズルキ
初見。
私がこれまで観たジュールス・ダッシンの監督作品ではなんといってもフランスで撮った『男の争い』(55)が最高でしたが、アメリカで撮った『深夜復讐便』、『裸の町』などの作品も実に良かったです。
『街の野獣』は赤狩りでダッシンがアメリカを追われた後にロンドンで撮った映画とのこと。
原題が『Night and the City』というように、実際、ロンドンの街角もところどころに登場する作品なのですが、あのリチャード・ウィドマークが主演で、ジーン・ティアニー共演ということもあって、個人的にもずっと観たかった作品でした。
プロレス興行の内幕を舞台に(といっても暴露的なものではない)一攫千金を目指す主人公の転落の過程をどこか突き放したような語り口で描いておりますが、ストーリーそのものはそれなりに面白いわりに、印象としては少々期待外れ。
その理由は、リチャード・ウィドマーク演じるハリー・ファビアンの行動にほとんど感情移入できないのが大きい気がします。
むしろ、彼に振り回されている連中の方が(彼らとて必ずしも善人ではないが)、観ていて気の毒になってしまう。
リチャード・ウィドマークの演技自体は大変な熱演なのですが。
ジーン・ティアニーもあまり登場シーンがなく、しかも、そのキャラクターも今一つハッキリせず、魅力に欠ける印象です。
むしろ面白かったのは、ナイトクラブの夫婦のキャラクターでした。
ちなみに、伝説のレスラー、グレゴリウス役を演じているスタニスラウス・ズビスコは、実際に本物のレスラーで、第12代世界ヘビー級王者(後のNWA世界ヘビー級王者)であり、あのハーリー・レイスをデビュー前に指導したという本当に伝説のレスラーだったようです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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