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久々にオランダのジャズ歌手アン・バートン(Ann Burton 1933~1989)の名を目にした。
タワーレコードを覘いたら、彼女の過去の未発表音源が発掘され、CDとなって発売されていたのだ。
その未発表音源は母国オランダのラジオ局に残されていた録音ばかりで、すでに日本ではCDが2枚発売されており、1枚目のアルバム『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』はすでに昨年11月に発売されていたらしい。
ちょうど2月10日に2枚目のアルバム『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』が発売されたばかりだった。
アン・バートンは一般的には決して有名な歌手ではないが、『ブルー・バートン』(67)『バラード&バートン』(69)というジャズ・ヴォーカル史上に輝く名盤を残した、ジャズ・ヴォーカルに関心のある人なら知らなければモグリと言われるような存在である。
残念ながら若くして亡くなったが、生前は日本でも大変人気があった。
1973年から1980年にかけて4度も来日公演を行っており、日本のレコード会社の要請で何枚かアルバムも製作している。
私も『ブルー・バートン』『バラード&バートン』という2枚のアルバムを聴いて彼女の歌に魅了された一人である。
それからは結構レアなアルバムにまで手を出した。
彼女の歌の特徴は決して歌唱力にまかせて歌い上げるタイプではなく、むしろ語りかけるような歌い方。
ジュリー・ロンドンのようなお色気たっぷりという感じでもなく、大変清潔感のある、温かみのある声だった。
ここ数年はジャズ・ヴォーカル自体聴く機会が激減したので、すっかり存在も忘れていたが、今回発売されたばかりのCD『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』を試聴機で耳にし、その素晴らしさに胸を打たれた。
そこで昨年11月に発売されたアルバム『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』の存在も知り、もう居ても立ってもいられなくなり、この2枚のアルバムを購入したという次第。
そんなわけで、さっきからこの2枚のアルバムを何度も聴き返しているのだが、やはりというべきか内容は最高だ。
アン・バートンの歌は派手ではないが、落ち着いた大人の歌であり、好きな者にとってはたまらない魅力に溢れている。
また、なんというか、聴いていて一杯飲みたくなるような、とてもリラックスできる歌である。
バックの編成も最小限で、ほとんどがライヴ音源というのも嬉しい。
昨年11月に発売された『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』は70年、76年、84年の録音をまとめたもので、名盤『ブルー・バートン』『バラード&バートン』を支えたピアニスト、ルイス・ヴァン・ダイクが全曲に参加。
しかも、全13曲中11曲がルイス・ヴァン・ダイクとのデュオである。
ジャケットもいい。
今回発売された『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』は全14曲が80年の録音で占められており、ほとんどがピアノとベースだけの伴奏。
選曲も大変魅力的であり、アン・バートンの歌を心行くまで味わうことができる内容となっている。
最後に、『バラード&バートン』に収録されている『Try A Little Tenderness』を。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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