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久々のジャズCDのご紹介。
今回はドナルド・バードの『フリー・フォーム』(『Free Form』61年、ブルーノート)
ドナルド・バード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)
ドナルド・バードは昔から好きなトランペッターで、張りのある美しい音色と端正なプレイがなんとも魅力的なプレイヤーだが、アルバム等を聴くにあたっては、どうしても個人的に許容できない点があった。
それはメンバーに私の苦手なバリトン・サックス奏者ペッパー・アダムスが必ずと言ってよいほど加わっていたことである。
ハッキリ言って、私はペッパー・アダムスのプレイ、というか音色が苦手なのである。
ところが、この『フリー・フォーム』にはペッパー・アダムスは参加していない。
それどころか、共演のサックス奏者はウェイン・ショーターである。
バードとショーターの共演ってかなり珍しいんじゃないだろうか。
そのせいか、ここでの二人の共演にはほどよい緊張感が感じられるし、アルバムそのものの内容も実にいい。
ショーター、そしてハービー・ハンコックの参加からも想像できるように、ファンキーとかハード・バップというよりは新主流派に近いテイストの作風だが、今聴いても全く古さを感じさせない。
これを聴けば、バードがリー・モーガンよりもはるか以前からジャズ・ロック調の曲に取り組んでいたことが分かるし(あの『サイドワインダー』は64年)、11分を超えるタイトルトラックを聴くと、バードがマイルスよりよっぽど早くから前衛的だったことが分かる。
もちろん、何事も早けりゃいいってわけではないのだが、もっと話題にならないのが不思議なアルバムである。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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