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フランソワ・トリュフォー監督の『逃げ去る恋』を国内盤DVDで観た感想。
『L’AMOUR EN FUITE』(79年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、マリー=フランス・ピジエ、ジャン・オーレル、シュザンヌ・シフマン
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ピエール・レオー、マリー=フランス・ビジエ、クロード・ジャド、ドロテー
“ドワネルもの”の集大成にして完結篇。
離婚調停中のアントワーヌとクリスチーヌという、現在進行形の物語と平行して、過去の作品の名場面が次々と現れます。
よって、一つの独立した作品というよりは、ドワネルものの総集編として観るべきかもしれません。
トリュフォー自身、もともと作る気はなかったとのことで、実際、完成した映画にもあまり好意的なことは言っていないようですが、映画そのものの面白さはやはり無類で、作られたことを感謝したい作品です。
ジャン=ピエール・レオーはさすがに老けた感は否めませんが、アントワーヌの役柄そのものに人間的な成長はやはりほとんど見られず…ここでもあくまでも彼らしさに徹しています(笑)。
一方のクリスチーヌ(クロード・ジャド)はもう腹が据わっていて、すっかり大人の女性…この2人が上手く行くはずありませんよね…(笑)。
アントワーヌの初恋の相手コレット(マリー=フランス・ビジエ)はここではバツイチの弁護士役。
アントワーヌと邂逅する列車のシーンにおける、2人のやり取りが大変印象的です。
案の定、想像通りの流れとなるわけなのですが(笑)。
また、この映画で初登場する、新たな愛人サビーヌ役のドロテーが非常に魅力的。
この人の存在感で作品そのものが一気に華やいだ感があります。
他に、『大人は判ってくれない』で登場した継父がアントワーヌを仕事場に訪ねてきて、2人でアントワーヌの母親の墓参りをする場面も印象的です。
ラストもハッピーエンドと言ってよいのかどうか分かりませんが(笑)、後味は良いです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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