[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
フランソワ・トリュフォー監督の『日曜日が待ち遠しい!』を国内盤DVDで観た感想。
『VIVEMENT DIMANCHE!』(83年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・オーレル、シュザンヌ・シフマン
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ファニー・アルダン、ジャン=ルイ・トランティニャン、フィリップ・ローデンバック
トリュフォーの遺作となった作品。
前作に引き続きファニー・アルダンを起用しながらも、一転明るいコメディタッチのサスペンス。
フィルム・ノワールの雰囲気を出すためにあえてモノクロで撮影したとのことです。
ところどころにヒッチコックを彷彿とさせる演出が見られ、全体的にユーモアもあり気楽に観られる作品です。
ただ、決して難解というほどのものではないのですが、ストーリーが意外と複雑なので、人物関係をキチンと押さえていないと何が何だか分からなくなるので注意!
登場人物の行動にちょっと突飛なところもありますし、流れに詰めの甘さを感じさせる部分もないことはないのですが、アメリカのB級犯罪映画をことさら愛したトリュフォーのこと、この作品に関してはその甘さをも楽しんで作っているような気がします。
そして何より、殺人事件の真相究明に女性が率先して乗り出す、という女性中心的な物語設定が実にトリュフォーらしい。
ファニー・アルダンは前作『隣の女』も良かったですが、こちらの方が更に生き生きと演じている印象。
活動的な役柄が彼女にピッタリですし、映像がモノクロなのも、彼女の雰囲気により合っている気がします。
ジャン=ルイ・トランティニャンはこれがトリュフォー作品唯一の出演作。
役柄としてもファニー・アルダンに押されがちですが(笑)、その渋い演技はやはり見応えがあります。
彼の出演するトリュフォー作品がもっとたくさん観たかったですね。
ラスト近くの犯人の独白はまさしくトリュフォー作品ならではの名セリフと言えましょうし、また、あれが彼の映画の最後のセリフになったのも何かの因縁を感じさせます。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。