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フランソワ・トリュフォー監督の『隣の女』を国内盤DVDで観た感想。
『LA FEMME D’A COTE』(81年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・オーレル、シュザンヌ・シフマン
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ファニー・アルダン、ジャラール・ドパルデュー、アンリ・ガルサン、ミシェール・ボールガルトネル、ヴェロニク・シルヴェル
『恋のエチュード』『アデルの恋の物語』に通ずるような、トリュフォー得意の激しい恋愛劇で、どこを取っても職人芸といった円熟の筆致が冴え渡る傑作。
テーマは極めてシンプルであり、その題材をここまで見事に見せきってしまうその演出力には脱帽です。
また、これはトリュフォー晩年のミューズ、ファニー・アルダンを初めてヒロインに起用した作品。
恋愛感情が高まって次第に狂気に至ってしまうというこのような恋愛劇においては、彼女のミステリアスな魅力が充分に発揮されていると言えるでしょう。
ファニー・アルダンのちょっと“いかつい”骨ばった容姿は、個人的に苦手なのですが(笑)、物語が進行するにつれて、そのことが気にならなくなるのが不思議(笑)。
ジェラール・ドパルデューは『終電車』に引き続いてのトリュフォー作品への出演。
彼のどこにでも居そうな普遍的な(?)魅力は、むしろこのような現代的な題材の方が更に活かされている気がします。
他の役者たちも皆好演ですが、ストーリー的にもジューブ夫人の恋愛エピソードが重要な役割を果たしており、それを演じるヴェロニク・シルヴェルの存在感が際立っていて、また魅力があります。
ラストに向かって盛り上がっていく演出も実に巧みで、だからこそあのラストが衝撃的な印象を残します。
ジュルジュ・ドルリューの音楽の哀切な調べもストーリーを盛り上げて素晴らしい。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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