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ピーター・ブルック監督の『雨のしのび逢い』を国内盤DVDで観た感想です。
『MODERATO CANTABILE』(60年)
監督:ピーター・ブルック
原作:マルグリット・デュラス
脚本:ジエラール・ジャルロ
撮影:アルマン・ティラール
音楽:アントニオ・ディアベリ
出演:ジャンヌ・モロー、ジャン=ポール・ベルモンド
邦題はかなり謎。
雨の降る、そんな場面はないからです。
原題は「普通の速さで歌うように」という音楽的な意味で、映画冒頭で、ジャンヌ・モローの子供がピアノのレッスンで繰り返し言わされますが、実際に映画を観終わると、なんとも意味深なタイトルであるということが分かってきます。
内容はかなり地味。
簡単に言えば、ある小さな港町を舞台にした工場長婦人と、その工場で働く若者の不倫劇ですが、これといったドラマチックはシーンはほとんどないので、観ていて眠気を催す人も多いかもしれません。
しかし、じっくりと見せてくれる魅力のある映画です。
ピーター・ブルックは舞台演出で有名な人とのことですが、この映画では、絵画のように美しい映像が次々と現れ、映像に対する感覚でも確かな美意識を持っていると感心させられます。
男女二人の惹かれ合う様子や、双方が何を求めているのかが、一見分かりやすいようで意外と分かりにくいのですが、かえって、そのことがこの作品の奥深さを物語っているのかもしれません。
メルヴィルの『モラン神父』(61年)もそうでしたが、この時期のジャン=ポール・ベルモンドのナイーヴな感性を湛えた演技は素晴らしい。
そして、それ以上に素晴らしい演技を示しているのがジャンヌ・モローであり、彼女の容姿の美しさという意味でもピーク時と言えるかも。
彼女はこの作品でカンヌ映画祭主演女優賞を受賞。
子供のピアノのレッスンのシーンや、ところどころで流れる音楽の作曲者は、ベートーヴェンの『ディアベッリの主題による変奏曲』で有名な、ディアベッリ。
作曲家だったんですね…知りませんでした。
国内盤DVDの画質は良好です。
気のせいでなければ、この作品の音楽は、ディアベッリ作曲のピアノ曲だけだったような気もします。
ルイ・マルの『恋人たち』の音楽がブラームスの弦楽六重奏曲だけみたいな感じですね。
いわゆる映画音楽としての音楽ではないので、サントラとして発売される可能性は少ないかもしれません。
映画はなかなか良かったですが。
記事を拝見してから気になっていた作品でしたが
昨日ようやく鑑賞できました!
実に真面目な作品ですよね
笑いの場面が皆無のベルモンド作品って私初めてかもしれません
アクションシーンも丸で無く淡々と押さえ気味の演技に徹してましたね
まだ20代ですよね
ジャンヌ・モローも財閥の奥方の役にしては
母親色が全面に出ていて質素な雰囲気が逆に良かったかと思います
演技力も素晴らしかった
カンヌ映画祭で主演女優賞を獲得と記事に書かれてますが
大いに納得です
邦題は・・・謎ですね《雨》は降ってなかった(笑)
この作品、ご覧になられたのですね。
この頃のベルモンドは、まだアクション俳優としてのキャラを確立する前なので、いろんな役を演じているようですね。
日本未公開作品ですが、メルヴィルの『モラン神父』(61)なんて神父役ですから、ほとんど笑いません。
また、ジャンヌ・モローも良かったですね。
無事鑑賞いたしました。モローの存在感が凄いですね。ベルモンドまだまだ若い! サントラってピアノのお練習曲に使われてるんですね。この辺りの音源もユニバーサル・フランスに期待したいところです。TB返しいたしますね。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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