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引き続き、最近観た映画のメモです。

●『祇園の姉妹』(35年、監督:溝口健二、出演:山田五十鈴、梅村蓉子)

祇園を舞台に、芸者の日常を描いた作品。
正規盤のDVDで観ましたが、残念ながら20分以上のカットがあるとのことです。
しかしながら、作品は素晴らしい。
なんといっても、若かりし山田五十鈴の魅力が凄い。
やはり同じ溝口作品で、同じ年に撮った『浪華悲歌』によって、女優開眼したと言われる彼女ですが、私個人は、『浪華悲歌』よりも『祇園の姉妹』の彼女の方をずっと魅力的に感じました。

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依田義賢
  依田義賢『溝口健二の人と芸術』によると、依田氏は『祇園の姉妹』より『浪華悲歌』を買っていたようです。文庫版73ー74頁「この映画[引用者注『祗園の姉妹』]もラストが弱いというので、もっと強くテーマを表出してくれといわれました。わたしは、このラストは原本のまま病院のベッドで「姉さん、寒い、毛布かけてんか」と、いうところで終わった方がいいと思ったのですが、いや、だめです、といいますので、例の大演説絶叫となったのです」。同書74頁「写真としてのまとまりは、『祗園の姉妹』の方がよかったのですが、作品の力にみちた点と社会的な洞察の眼の鋭さは、『浪華悲歌』の方が上位であったと、わたしは今も思っています」。
 完成版とはやや異なる依田版の『浪華悲歌』『祗園の姉妹』、プリントが現存しない『浪花女』、山本薩夫が監督した『荷車の歌』の脚本は『依田義賢シナリオ集(2)』(映人社)で読めます。ただしこの版の『祗園の姉妹』のラストの台詞は「何で芸者みたいなもんが、この世の中にあるのや、なんで芸者みたいな女がなけやならんのや、こんなもン、こんな間違うたもンなかったらええのや、ほんまになかったらええのや」。
 『西鶴一代女』も現行版は短縮版ですが前掲書215頁にこうあります。「『西鶴一代女』は重厚な、溝さんらしい本来の迫力のある映画となって完成されました。これをベニスの映画コンクールに出すことになり、わたしと溝さんと二人で映画を見直して相談の上、二、三場面を省略して出品したのですが、これは冗漫な場面をとったことにもなってよかったと思います。これによって、ジョン・フォードの『静かなる男』とともに、国際演出賞を得たことは溝さんに大変な自信を与えました」。「ベニスの映画コンクール」とはヴェネツィア国際映画祭のことです。現行版がどのような経緯による短縮版かは不詳です。
Faux 2008/03/03_Mon_19:41:36 編集
『祇園の姉妹』
依田義賢氏、『祇園の姉妹』の情報ありがとうございます。
依田氏は『浪華悲歌』の方を高く評価していたのですね。
作品の持つ力ではどちらも引けを取らない出来だと思うのですが、当時花柳界に縁のなかったという依田氏にとっては、この作品は書きにくかったということもあるのかもしれませんね。
『西鶴一代女』はパリで入手したフランス語字幕付きのDVDを所有しておりますが、未見です。
早く観たいのですが。
管理人@マサヤ URL 2008/03/04_Tue_11:20:58 編集
『修道女』
 ジャック・リヴェットの『修道女』はドゥニ・ディドロの小説(1760年執筆)の舞台化版(アンナ・カリーナ主演、脚本ジャン・グリュオー)を経た映画化版ですが、リヴェットは井原西鶴原作(1686年)の『西鶴一代女』を念頭においていたようです。
 山田宏一氏は『友よ映画よ』で、『西鶴一代女』とトリュフォーの『アデルの恋の物語』(脚本ジャン・グリュオー)の類似性も指摘しています。
 依田義賢によると「西鶴の作風にはつき放した、乾いた非情さがありますが、このシナリオ(映画も)は、少し執拗な粘液をまとっていまして、後半など溝さんが大衆への理解を考えて、メロドラマ風の(メロドラマにはなりませんでした)悲劇の展開を求めましたので、西鶴よりも近松(門左衛門)に近い作風になりました」(『溝口健二の人と芸術』、現代教養文庫、211頁)。
 溝口を世界最大のマルクス主義映画作家として信奉するジャン=マリー・ストローブは、バルザックに基づくリヴェット最新作『ランジュ公爵夫人』を『修道女』以来の最高傑作と断言しているそうです。ちなみにリヴェットの『アウト・ワン』『美しき諍い女』は、それぞれバルザックの『十三人組物語』『知られざる傑作』が原作です。
Faux 2008/03/05_Wed_03:18:39 編集
溝口とリヴェット
『西鶴一代女』の情報ありがとうございます。
リヴェットも影響を受けていたのですね。
その肝心のリヴェットの『修道女』も未見です。
以前から気になっている作品の一つで、DVDを買い損なったのを後悔しています。
もちろんレンタルで済ませてもいいのですが…。

溝口を世界最大のマルクス主義映画作家としてとらえているジャン=マリー・ストローブの考えは面白いですね。
言われてみればそう言えなくもなさそうです。
溝口本人がどう考えていたかはよく分かりませんが。
リヴェット最新作『ランジュ公爵夫人』は4月に日本でも公開されますね。
http://www.iwanami-hall.com/contents/next/next.html
管理人@マサヤ URL 2008/03/05_Wed_11:36:05 編集
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フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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