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ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』(完全版)を国内盤DVDで観た感想です。
『IL CONFORMISTA』(70年)
監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ドミニク・サンダ、ステファニア・サンドレッリ、ピエール・クレマンティ、イヴォンヌ・サンソン、エンツォ・タラシオ、ジュゼッペ・アドバッティ
再見。
これは…ある意味神がかった作品と言えるのではないでしょうか。
素晴らしい色彩感覚を持ったヴィットリオ・ストラーロによる映像美、作品全体を覆う退廃的な雰囲気、編集の妙、哀感漂うジョルジュ・ドルリューの音楽、そしてジャン=ルイ・トランティニャンを始めとする俳優の魅力など、どれも大変なものだと思いました。
それをここまで見事にまとめ上げたこの頃のベルナルド・ベルトルッチ監督の力量たるや、やはり並みのものではありません。
とりわけ、映像の美しさはこの世のものとも思えないほどで、絵画のように美しく印象的なシーンが続出します。
それを彩るドミニク・サンダとステファニア・サンドレッリ二人のエロチックな魅力が凄い。
二人のダンスシーンは何度観ても溜め息もの。
映画史に残る名シーンの一つでしょう。
とりわけ、当時若干二十歳そこそこだったとは信じがたいドミニク・サンダの美しさには溜め息しか出ません。
ステファニア・サンドレッリは意外にもデビュー時、メルヴィルの『フェルショー家の長男』(62)に出ています。
拙HPのキャストの項も参照。
むやみに“笑わない”ジャン=ルイ・トランティニャンはマルチェロという役柄に相応しく、その“無表情”だけで見事に作品の核としての役割を担っています。
ちょっとだけ出演しているピエール・クレマンティが観られるのも嬉しい。
少しだけ写るエッフェル塔の美しさも印象的で、イタリア映画でありながらも、これほどまでにエッフェル塔が、そしてパリが美しく撮られた映画も少ないのではないかと思ってしまいます。
私が所有している国内盤DVDは現在廃盤で中古市場では価格も高騰しているようですが、画質も最高とまでは言えなくとも、まずは満足のいくものです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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