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アンソニー・マン監督の『最前線』を国内盤DVD(紀伊国屋書店)で観た感想です。
『MEN IN WAR』(57年)
監督:アンソニー・マン
脚本:ベン・マドウ
撮影:アーネスト・ハラー
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ロバート・ライアン、アルド・レイ、ロバート・キース
初見。
1950年の朝鮮戦争を舞台に、大隊から孤立した連合軍歩兵小隊の内部の葛藤と、高地を巡る敵との戦闘を描いた作品。
最近では珍しく2回観ました。
戦争映画は以前は結構好んで観ていたのですが、最近は観たいという気持ちがほとんどなくなってしまいました。
その理由は自分でもよく分からないのですが、戦争映画にありがちな戦闘シーンに感興(?)をそそられなくなったのが大きいかもしれません。
そういえば、以前はあれほど好きだったプロレスや格闘技も最近では会場に行くことはもちろん、テレビ中継すら観なくなってしまいました。
年齢を経ることで闘争本能(?)がなくなってしまったのでしょうか…いや、戦争映画とは全く関係ないですね…(ほんとは三沢の死に関しても何か書きたいのですが…長くなりそうなのでやめておきます)。
それはともかくこの映画、DVDのパッケージには“50年代ハリウッド戦闘映画の究極の大傑作”との文字が。
戦争映画を観たい気持ちはなかったものの、アンソニー・マン監督の作品を観たいという気持ちもあり、その宣伝文句に釣られてDVDを買ってみたのです。(ホントは中古で安く手に入れられたのが大きいですが)
観た印象ですが、戦争映画としてはかなり地味な作品ではあります。
ベントン中尉役のロバート・ライアンとモンタナ軍曹役のアルド・レイの信条的対立を軸としながら、描かれているエピソードは最小限に抑えられた至極シンプルな作品。
他の戦争映画にありがちな、喜怒哀楽を全面に出した戦争映画独特のオーラはほとんど感じられません。
むしろ、歩兵小隊の数少ないエピソードだけをもって、ここまで魅せてくれる監督の演出力が断然光る燻し銀のような作品だと思います。
もちろん、戦争映画ですから戦闘シーンもありますが、むしろ、戦闘を行っていないシーンにこそ、監督の優れた演出力が発揮されているように思われます。
戦闘前の兵士たちの緊張や不安や恐怖心といった心模様が、その表情の変化や身振り手振りで見事に描き出されているからです。
その意味で、“人間ドラマ”として実によく出来た映画だと言えるのではないでしょうか。
ロバート・ライアン、アルド・レイを始めとするキャストも皆好演でしたし、国内盤DVDの画質も良好でした。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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