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あけましておめでとうございます。
今年もマイペースでやっていくつもりですが、このブログとHPを是非ともごひいきに。
このところ、このブログはほとんど映画鑑賞日記と化していますが、まだUPしていない鑑賞済みの映画がいくつかまだありますので、もう少しこの流れを続けたいと思います。
今回は、ジョン・ヒューストン監督の『クレムリンレター/密書』を観た感想です。
『THE KREMLIN LETTER』(1969)
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:グラディス・ヒル、ジョン・ヒューストン
撮影:テッド・スケイフ
音楽:ロバート・ドラスニン
出演:ビビ・アンデショーン、リチャード・ブーン、マックス・フォン・シドー、オーソン・ウェルズ、パトリック・オニール、バーバラ・パーキンス、リラ・ケドロヴァ
『あれは傑作だね。映画館から出た時、私は妻にたったひと言、心に浮かんだ単語を口にしたよ。「お見事!」とね。もちろん、師の見事さだ。『クレムリン・レター 密書』は巨匠の作品だ。映画の講義なんだ。』
(引用―『サムライ―ジャン=ピエール・メルヴィルの映画人生』ルイ・ノゲイラ著 井上真希訳 晶文社刊 より)
レンタルビデオにて鑑賞。
今回が初見となるスパイもの。
メルヴィルが絶賛していた作品ですが、公開時、世界的には当たらず、どうやら公開後すぐ打ち切りになってしまった作品とのことで、いまだDVD化もされておりませんし、これといったスターも出演していないことから、あまり知名度も高くないようです。
ジョン ヒューストンの自伝『王になろうとした男』(清流出版)によると、この作品が当たらなかったことは、本人もかなり残念に思っていたようです。
世界中で酷評されたが、唯一の例外がパリだったと…。
関係者の名こそ指摘されていませんが、私は瞬間的にメルヴィルのことを思い起こしました。
実際、私もノゲイラの本でメルヴィルが絶賛していなかったら、この作品を観ようとは思わなかったかもしれません。
実際に観た印象ですが、内容に分かりにくさはありますが、ストーリーがどう展開してゆくのか大変興味深く、決して退屈ではありません。
むしろ、かなり面白いと思います。
ただ、1969年の作品であり、米ソ冷戦構造や、中ソ対立など、当時の世界情勢の理解がないと、完全な理解はなかなか難しいかもしれません。
私も、理解しかねるところがいくつかありましたので、近くまた再見してみたい作品です。
キャストも良いです。
ローン役を演じるパトリック・オニールは渋い存在感の俳優なので派手さこそありませんが、かえってそこがカッコ良かったですね。
その上司役のリチャード・ブーンはそれ以上に印象的で、この二人のやり取りのシーンは、どこもウィットに富んでいて面白かったです。
それに加え、あのオーソン・ウェルズがソ連の高官役で出演していて存在感を発揮しています。
ビビ・アンデショーン、バーバラ・パーキンスの二人の女優も良く、ビビ・アンデショーンはちょっとデルフィーグ・セイリグに似ている気が。
二人の肌の色の白さがキレイでした。
リラ・ケドロヴァはアンリ・ドコワン監督の『筋金を入れろ』(55年)でジャンキー役で出ている女優です。
不思議なことに、こちらの方が若く見えるかも。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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