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マルセル・カルネ監督の『マンハッタンの哀愁』を国内盤DVDで観た感想。
『TROIS CHAMBRES A MANHATTAN』(65年)
監督:マルセル・カルネ
脚本:マルセル・カルネ、ジャック・シギュール
撮影:オイゲン・シュフタン
音楽:マル・ウォルドロン、マルシャル・ソラル
出演:アニー・ジラルド、モーリス・ロネ、ガブリエル・フェルゼッティ、ジュヌヴィエーヴ・パージュ、ロバート・デ・ニーロ
再見。
原作はジョルジュ・シムノンの『マンハッタンの三つの部屋』(日本では『マンハッタンの哀愁』のタイトルで単行本化)。
シムノンの原作は、実は60年代の初めにジャン=ピエール・メルヴィルがジャンヌ・モロー主演で映画化を企画していたという。
当時のジャンヌ・モローは外交官の夫人という役柄のイメージにピッタリであり、メルヴィルのファンの一人として、映画化が実現しなかったことが大変に残念だ。
しかし、このマルセル・カルネ版のアニー・ジラルドもすこぶる魅力的である。
アニー・ジラルドは外交官の夫人というには庶民的過ぎる感があるし、女性的な色気にも若干欠けるが、演技が素晴らしいので、観ていて不足を感じさせない。
また、相手役のモーリス・ロネとの相性も悪くない。
結果、NYの夜の街の倦怠感と大人の恋愛ムードが交じり合った、実に魅力的な映画となっている。
音楽を担当したマル・ウォルドロンによるジャズもいいが、ところどころハイテンポの曲がメルヴィルの『マンハッタンの二人の男』(58)の音楽に似ているなーと思っていたら、エンドクレジットで『マンハッタンの二人の男』の音楽を担当していたマーシャル・ソラールがウォルドロンと共に音楽を担当していることを知って納得した。
アニー・ジラルドの夫の外交官役のガブリエル・フェルゼッティは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』の主演俳優。
そして、意外にもこの映画はロバート・デ・ニーロの映画デビュー作にあたるという。
どこに出ているのかさっぱり気付かなかったが。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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