[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ピエール・グラニエ=ドフェール監督の『離愁』を国内盤DVD(キング・レコード)で観た感想。
『LE TRAIN』(73年)
監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:ピエール・グラニエ=ドフェール、パスカル・ジャルダン
撮影:ワルター・ウォティッツ
音楽:フィリップ・サルド
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ロミー・シュナイダー、モーリス・ビロー、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ニケ・アリギ、ポール・ル・ペルソン
再見。
ジョルジュ・シムノン原作の小説を映画化したもので、原題は『列車』。
第二次大戦中のフランスを舞台に、ドイツ軍の爆撃から列車に乗って逃げる男女二人の恋愛模様を描いた作品。
主演の二人が素晴らしすぎる。
ロミー・シュナイダーが演じるアンナはユダヤ人であり、夫や両親も既にドイツ軍によって殺されている。
いつ自分自身がその目に会うかもしれないという恐怖心、そして、一人の男性に次第に惹かれていく恋愛心理を抑制された見事な演技で表現している。
ジャン=ルイ・トランティニャンはどこがどうということはないが、存在感がとにかく素晴らしい。(結局は全部いいっていうことか…)
ラヴシーンも二人の肌のぬくもりが画面を通して直に伝わってくるかのよう。
もちろん、有名なラストに至っては言葉もない素晴らしさである。
この映画の一方の主役といえるのがフィリップ・サルドの音楽で、その美しいメロディーが映画を情感豊かに盛り上げている。
また、ワルター・ウォティッツ(『史上最大の作戦』『リスボン特急』)による映像がなんとも美しい。
脇役も充実しており、アンヌ・ヴィアゼムスキー(『バルダザールどこへ行く』『中国女』)がこういった作品に出ているのも珍しい。
また、ピエール・コレ、ポール・アミオといったメルヴィルの『仁義』に出演した俳優の顔も見える。
総じて周囲の人間たちのキャラ設定がしっかりしているのも良く、邦題も傑作である。
あえて書きませんでしたが、この作品のロミーの美しさは大変なものですね。
時おり見せる笑顔も実に魅力的でした。
間違いなくロミーの代表作の一つだと思います。
ドロンがトランティニャンの役を演じていたら…ちょっと想像できかねますが、おそらくはまた別の感慨のある作品になっていたことでしょうね。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。