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前々回に続いて映画祭『フランス映画の秘宝』のお話。
今回の映画祭は、すごく観たいのに、仕事の時間との兼ね合いで、どうしても観られない作品もいくつかある。(『パリ横断』など)
もちろん、経済的な問題もあるんだけど、鑑賞可能な作品はできるだけ行きたいとは思っている。
そうこう言っているうちにあと数日しか残ってないけど。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』に続いて観たのは、クロード・シャブロル監督の『肉屋』(69)。
この映画、当時のシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランがエレーヌという校長先生役で主演している。
彼女は、ヌーヴェル・ヴァーグの時代から、いろんな映画に出ている女優さんだけど、以前からなかなか魅力的な女優だと感じていた。
シャブロルと結婚する前は、あのジャン=ルイ・トランティニャンとも結婚していたというのも凄いが、今回も、シャブロル作品だからというよりも、彼女が主演だから観に行ったという方が正しいかも。
シャブロル監督、オードラン主演の<エレーヌもの>は5作あるらしいが、今作で初めて観た。
正直なところ、彼女の校長先生役はかなり違和感あったけど、女性として魅力的だからまあいいや。
調べてみると、彼女は32年生まれだから、この映画の当時は36~37歳。
映画を観た印象では、年齢より若く見えます。
6日土曜日の6時半上映という好条件のためか、会場は9割以上の入り。
映画はフランスの田舎が舞台で、冒頭の結婚式の場面など、どこかイタリア映画のような陽気な雰囲気があって、それはそれで魅力的。
その結婚式で知り合った校長先生(オードラン)と肉屋の男(ジャン・ヤンヌ)の微妙な恋愛模様、そして、連続して起こる殺人事件のサスペンス性などが、ストーリー的には映画の眼目となっているようでした。
ところで、いろいろネットで調べてみると、この作品って評判は結構良いんですよね。
でも、正直なところ、シャブロル作品独特とも言える、微妙に変な感じの空気感があり、それがこの作品を好むか否かの境目になるんではないでしょうか。
私が観た印象では、やはりシャブロル監督作品の『二重の鍵』『気のいい女たち』『青髭』などに共通するような、同じようなトーンが感じられたのですが、個人的には、それらの作品ももう一つ好みでなく(文句なく好きな作品は『いとこ同志』ですが)、正直言って、この『肉屋』も私の好みと合致する作品とは言えませんでした。
犯人探しの興味もあまり感じられず、映画後半の展開も、サスペンスとしてももう一つ盛り上がりに欠ける気がしました。
肉屋役のジャン・ヤンヌ、そして、少々クール過ぎるオードランのキャラクターにも、もう一つ付いて行けなかった感があり。
ジャン・ラビエによる、独特の色彩豊かな映像は魅力的でしたが…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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