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日仏交流150周年を記念した映画祭『フランス映画の秘宝』が9月5日(金)から東京・有楽町朝日ホールで始まりました。
6日、私はジャン=ピエール・メルヴィル監督の『海の沈黙』(47)、クロード・シャブロル監督の『肉屋』(69)の二本を観てきました。
今日は主に『海の沈黙』について書こうと思います。
有楽町朝日ホールで映画を観るのは久々です。
前回は2004年のヴィスコンティ映画祭でした。
その時は『山猫』『若者のすべて』『異邦人』、あとタイトルは忘れましたが、短編を観たと思います。
700人以上入る、映画館としては、かなり大きなホールです。
今回観た二本は、どちらも当日券で観ましたが、朝10時半開始の『海の沈黙』も8割以上の入り、夜6時半開始の『肉屋』は9割以上の入りだったように感じました。
『海の沈黙』は、時間が時間なので、ガラガラも想像していましたが、この時間帯としては大健闘だったと言えるのではないでしょうか。
私の席は後方の真中ほど。
観やすかったですが、スクリーンは必ずしも大きくなく、音声も大きいとは言えないので、できることなら前方で観た方が良いかもしれません。
それにしても、日本初公開の『海の沈黙』に実際接することができ、感無量でした。
気になるプリントの状態は、悪くはなかったと思います。
全篇に渡って、英語字幕が画面下部に映り込んでしまっているのは残念ですが、向かって画面右縦に出る日本語字幕に集中すればそれほど気にならないでしょう。
私が感じた範囲内での欠陥としては、イーブルナックが、フランス文学について語る場面で、ほんの一部ですが、コマ飛びがあったようです。
また、一部で音声のトーンが変化するような場面があり、少々気にはなりました。
そして、この作品をスクリーンで観て、重苦しい緊張感の持続が全篇を蔽う様が実に見事な、大変な傑作だと改めて確信しました。
映画の後方で通奏低音のように始終鳴り響いているエドガー・ビショフの音楽も美しく効果的で、映像との絡み合いが素晴らしく、まるでオペラ映画であるかのような印象すら持ちました。
もちろん、照明が素晴らしいアンリ・ドカによる撮影の見事さも、言うまでもありません。
会場の観客は、おそらくは初めてこの作品を観た人が9割以上だったと思われますが、この作品に強く打たれたのではないでしょうか。
この作品は、12日(金)19:10にもう一度上映されます。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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