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監督:ロバート・オルドリッチ(アルドリッチ)
原作:ミッキー・スピレーン
脚本:A・I・ベゼリデス
撮影:アーネスト・ラズロ
音楽:フランク・デ・ヴォル
出演:ラルフ・ミーカー、アルバート・デッカー、ポール・スチュワート、マキシン・クーパー、ギャビー・ロジャース
私立探偵マイク・ハマー(ラルフ・ミーカー)は深夜の道路で精神病院から脱走したという女を車に乗せる。
その後、彼らはある組織につかまり、拷問され、女は死亡、マイクは一命をなんとかとりとめる。
事件に巨大な陰謀の影を嗅ぎ取ったマイクは自ら危険な捜査に乗り出す…というのがこの映画の発端のストーリー。
国内盤DVDにて二度目の鑑賞。
この作品の魅力をなんと言ったらよいでしょう。
観客を映画にいきなり引き摺り込む冒頭から、ミステリアスでハードボイルドなストーリー展開が最高で、もう全篇ワクワクしっぱなし。
物語の内容はどこか不可解でもありますが、その訳の分からなさこそが実に魅力的で、一つ一つのシークエンスの面白さにストーリーの難解さなどほとんど気になりません。
ところどころに見られるバイオレンスシーンがまた大変に凝っており、実に映画的な面白さ。
ストーリーに当時の社会情勢に関する部分もあるので、深読みをしてしまいがちですが、監督のオルドリッチ、脚本のA・I・ベゼリデス、ともにそんな意図はなかったらしく、社会派的な、妙な高尚趣味(?)に陥っていないところも好感度高し。
主役のタフな私立探偵マイク・ハマー(ラルフ・ミーカー好演)を始め、映画にまともな人間はほとんど出てきませんが、その一人一人のキャラが実に立っています。
個人的に、一番印象に残るのが、リリー・カーヴァー役を演じる短髪のギャビー・ロジャースで、ベッドに横たわりながら拳銃を構える登場シーンからして、それを後ろから捉えたキャメラといい、その気だるそうな色気のある表情といい、実に素晴らしい。
彼女の、ところどころに見せる、人懐っこそうでいながら、よく見ると実は不気味な笑顔も印象的ですし、客を良い意味で唖然とさせるラストの展開も良し。
女性といえば、プールでラルフ・ミーカーを迎える色情狂の女性も色気があって最高です。
全篇を通して一番謎で不気味な人物は、ずっと足元の革靴しか映らず、顔の映らない人物(アルバート・デッカー)。
実際は顔が出てから意外と呆気ないのが少々残念ですが、その靴のデザインがかなり個性的ということもあって、かなり観る者の注意を惹きつけます。
そういえば、善人だか悪人だかさっぱり分からないパット・マーフィー警部補役のウェズリー・アディもかなり良かった。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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