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『La lecon particuliere』(68年)
監督:ミシェル・ボワロン
脚本:ミシェル・ボワロン、クロード・ブリュレ、アネット・ヴァドマン
撮影:ジャン=マルク・リペール
音楽:フランシス・レイ
出演:ナタリー・ドロン、ルノー・ベルレー、ロベール・オッセン
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の『サムライ』(67)において女優デビューを飾ったナタリー・ドロン。
その『サムライ』でナタリーの愛人ヴィエネル氏を演じたミシェル・ボワロンが監督をし、ナタリーを主演に起用した作品がこの『個人教授』です。
内容は、高校生(?)の若者が、レーサーの彼氏を持つ年上女性と知り合い、恋に落ちる…というラヴ・ストーリー。
いかにも60年代後半のフランス映画という雰囲気のある映画で、パリの街をロケ撮影した映像も魅力的。
タイトルから、なんとなくエロ映画を期待しがちですが(私だけ?)、残念ながら、そういった要素はほとんどありません。
むしろ、実に脚本のしっかりした映画なので驚かされます。
印象的なシーンはいくつもありますが、特にスキー場でのチークダンスのシーンは素晴らしい。
全篇で流れる、フランシス・レイの流麗で感傷的な音楽も大変印象的。
そして、ヒロインであるフレデリクを演じるナタリー・ドロンが美しく、演技、存在感ともに素晴らしい。
学生役のルノー・ベルレーも役柄にピッタリで、あまり美男過ぎないのが良いのか、結構感情移入して観てしまいます。
また、フレデリクの年長の彼氏であるカーレーサー、エンリコ・フォンタナを演じるロベール・オッセン(特別出演)の存在感が際立っていて、彼の登場する後半から物語が締まってくるような感があります。
ロベール・オッセンが乗っている車が、その世代には懐かしいランボルギーニ・ミウラ(しかも黄色!)というのも嬉しいところ。
『サムライ』で味をしめた(?)のか、オリヴィエの父親役にミシェル・ボワロン自ら出演しています。
2007年9月のアンヌ・ヴェルノン(24年生まれ。『エドワールとキャロリーヌ』、『エストラバード街』、オフュルスを愛するドゥミの『シェルブールの雨傘』に出演)の展覧会のゲストの1人にヴァドマンがいます。
http://www.besseiche.com/newsdesk_info.php?newsdesk_id=48
INAのアーカイヴの1965年放映のTemoignages sur Danielle Darrieux et Max Ophuls(『われらの時代の映画作家』オフュルス編)にヴァドマンもちらっと出てきます。
『エドワールとキャロリーヌ』は若夫婦のお洒落なラヴ・コメディです。
シャルル・ビッチ談話。「(自分の方向性として)私はジャック・ベッケルを考えていました。私の欲望は、ジャン・ルノワールやブレッソン、さらにはゴダールのようになることではなく、第二のジャック・ベッケルになることでした。彼の歩みが好きだったし、自分に合っていたんです。彼の撮影方法や登場人物にとても親しみを覚えました。『七月のランデヴー』や『エドワールとキャロリーヌ』など。それらの映画は直接私に訴えかけました。自分のやりたいことに関して、手本になるように思えました。ルノワールやオフュルス作品を崇拝していたものの、彼らと同じようにはできないとわかっていました。でもジャック・ベッケルなら、彼の歩みを模倣することができるように思えたんです」。
http://www.sensesofcinema.com/contents/08/46/charles-bitsch-interview.html
トラバありがとうございます。
私など今見ても、身につまされる部分があります。
ラストもいいですよね。
サントラがアルバムという形でリリースされたのは日本だけだったなんて日本のファンは幸せ者だと思います。
アネット・ヴァドマンの情報ありがとうございます。
脚本を担当した人の名前をミシェル・ボワロンしか記していなかったので、訂正しておきます。
シャルル・ビッチの談話もご紹介いただきありがとうございます。
ジャック・ベッケルの『エドワールとキャロリーヌ』は未見ですが、興味が出てきました。
http://www.auc-cop.co.jp/aomori-ms/index.html
目次
ジャック・ベッケルについて…6 セルジュ・トゥビアナ
上映作品紹介…10 『偽れる装い』『アラブの盗賊』『モンパルナスの灯』『穴』
採録「ジャック・ベッケル生誕百年記念国際シンポジウム」…12
基調講演「ジャック・ベッケルの旗のもとに」…13 蓮實重彦
シンポジウム「絶対的ベッケル主義の到来のために」…17 ジャン=ピエール・リモザン、青山真治、クリス・フジワラ、蓮實重彦
ジャック・ベッケル・フィルモグラフィー…30
蓮實講演より(『エドワールとキャロリーヌ』について)「このコメディは、ベッケルの演出が頂点に達した傑作の1つだと確信していますが、封切り当時には、不幸にしてこれを評価する批評言語が存在していませんでした。題材、ジャンル、舞台背景の違いに惑わされ、多くの人がベッケルを評価しかねていたのです」。
リモザン発言より「たとえば『エドワールとキャロリーヌ』(1951)で、ダニエル・ジュラン演じる人物がショパンを弾くシーンがあります。それをどうするのか? その際、ジャック・ベッケルは古くからある、うまいアイディア――リュミエールよりも、むしろメリエスに由来するアイディアを使いました。つまり、俳優のうしろに本物の音楽家を立たせ、フレームのなかに腕を出させて演奏させたのです。一方、俳優のほうには音楽家の顔の表情を練習させました。音楽家が演奏しているシーンでは腕や指の動きが気になりますが、本当に問題なのは、その音楽からくる感動や、その音楽を演奏するむずかしさをどのように表情で表現するかです。その顔の表情をベッケルはかなり稽古をさせ工夫しました。そこで、この作品を見た多くのプロの音楽家たちは、ダニエル・ジュランはすぐれたピアニストであると信じたのです」。
長い間この作品のことは知ってましたが
どうしても観る気になれなくて・・・なぜか(笑)
昨年ようやく観ました
♪音楽も有名でしたよね、良かったです
あと、、、ボワロン監督・・・ダンディ
『サムライ』でも素敵だなぁと思っていたので
俳優/ミシェル・ボワロンを見れて満足です
TBさせていただきます<(_ _)>
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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