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『Rififi in Paris』(66年)
監督:ドニ・ド・ラ・パトリエール
原作:オーギュスト・ル・ブルトン
撮影:ワルテル・ウォティッツ
音楽:ジョルジュ・ガルヴァランツ
出演:ジャン・ギャバン、ジョージ・ラフト、クラウディオ・ブルック、ナディア・ティラー、ミレーユ・ダルク 、ゲルト・フレーベ
密輸絡みのやくざの争いを描いた国際スパイ・ギャング映画。
この作品でジャン・ギャバンは、やくざの親分役を演じています。
ジョージ・ラフトとの共演というのは、他にもあるのかどうか分かりませんが、どちらにせよ、二人の共演が観られる今作は実に貴重と言えましょう。
ジョージ・ラフトはさすがに往年の精彩は感じられませんが、『暗黒街の顔役』(32)でのトレードマークともいえるコイン投げを、この映画で一瞬ながら見られるのが嬉しいところ。
セルフ・パロディなんでしょうかね。
ギャバンとラフトの対峙するシーンは、ギャング映画が好きな方なら感涙モノのシーンではないでしょうか。
ゲルト・フレーベとナディア・ティラーの年の離れた夫婦が不思議な存在感。
途中、東京のシーンもありますが、空港の駐車場に鳥居があったりとか、高速道路のシーンなのに祭囃子がバックに流れていたりとか、芸者風の給仕がホテルの部屋にお茶を入れにきたりとか、少々日本への偏見が感じられ、変な感じです。(フランソワ・トリュフォー監督の『家庭』(70)を観ても、当時のフランス人の日本理解はそんなものだったのだろうと思いますが)
映画全篇のストーリーはなかなか面白い映画なのですが、どこか“ゆるい”といいますか、視点が拡がり過ぎでもう一つ締りがあれば、という印象もあります。
ギャング組織にスパイとなって潜り込むクラウディオ・ブルックがなかなかの存在感を示しますが、今一つ身のこなしに緊張感がなく、そのあたりのスリルをもう一つビシっと描いていれば、さらに面白い映画になったような気もしました。
ところで、ジョルジュ・ガルヴァランツのテーマ音楽が、どことなくあの『ペッパー警部』に似ている気がするのは私だけ?
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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