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(前回より続く)
それが2006年、CMで使われたシングル『A perfect sky』がヒットし、活動10周年を記念したベストアルバム『Every Single Day -Complete BONNIE PINK (1995-2006)』が70万枚を突破、なんとその年の紅白歌合戦に出場、あげくの果てには夢としか思えなかった日本武道館公演(2007年)までやってしまったものだから、逆にファンの方が面食らってしまった。(今でも信じられない…)
ライブでのトークを聞く限り、彼女自身その状況を素直に喜んでいたようではあったが、決してその状況に浮かれなかったのが彼女らしいところであった。
大衆の期待をスカすかのようにCDのリリースのペースはこれまで通りの寡作ぶり。
その間、武道館を埋めたニワカ(?)ファンはあっという間に彼女の元を去り、気づけば2000年、2003年のツアー時と同じ赤坂BLITZに今回再び舞い戻ってきた。
個人的に、5月にリリースされたニューアルバム『ONE』の内容が大いに気に入ったこともあり、当然ライブにも期待が高まった。
実際、ライヴの内容はほとんどが『ONE』からの楽曲で、なんとアルバム14曲中13曲が演奏された。
それがバックバンドの好演もあり、アルバム以上に楽曲の良さが伝わってきたのだからたまらない。
2000年以降、かれこれ彼女のライブは20回以上は行っている私だが、今回のライブ・パフォーマンスはこれまででもトップクラスの完成度と盛り上がりだったと思う。
というのも、彼女のライブはたいてい中盤くらいで中弛み感があるのだが、今回は全くといってよいほどそのようなことはなかった。
また、彼女の声も絶好調、いつになく圧倒的な歌唱を聞かせてくれた。
もともと彼女は必ずしも歌唱力で聞かせる歌手ではないし、これまでのライブでは不安定な歌唱の時も何度かあったが(声そのもの、そして歌い方は素晴らしく魅力的、いわゆるヘタウマタイプの歌手だ)、今回は全くそのような不安を感じなかったという点で、彼女はアーティストとしてなお成長過程だと言えるだろう。
(次回へ続く)
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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