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(前回に続く)
今回のツアーにおいては、これまでのツアーメンバーの一部を一新したバックの演奏も素晴らしかった。
以前よりギターが一人少なくなったにもかかわらず圧倒的なボリューム感だったし、中でもツアー初参加となったベースの鈴木正人のビート感覚(?)が光っていた。
一緒に行ったボニー・ファンの友人はニューアルバム『ONE』をあまり気に入っていなかったようなのだが、今回のライヴを見て再評価したようだ。
実際、私も『ONE』を2~3回聴いた段階では『これは駄作かも』と思ったものだが、5~6回聴いた頃からどんどん良さが分かってきて、今では『最高傑作かも』に変わってきたのだから分からないものである。
そう、ボニーのアルバムの良さは1~2回通して聴いただけでは分かりにくいことが多い。
逆に聴けば聴くほど良くなってくることがほとんどで、このアルバムも例外ではない。
私など5月の発売以来すでに30回以上は聴いているであろうが、全く飽きない。
まだまだ繰り返し聴きそうである。
先行シングルとなり、このアルバムにも収録された『Joy』『Happy Ending』は文句なくいいが、個人的にこのアルバムのベストスリーは『Princess Incognito』『PLAY & PAUSE』『Get on the Bus』の3曲である。
ライヴで聴くこの3曲はまさに至福であった。
ただ、ライブ演奏としてより圧倒的だったのはバラード・ナンバー『One Last Time』であったかもしれない。
(それにしても『ONE』はどれだけ売れたのだろうか?おそらく10万枚には遠く及ばないだろう。あれだけ素晴らしいアルバムがなぜこれほどまでに売れないのだろう?)
ただ、ライブの後半では『Happy Ending』などで観客とのコール&レスポンスも行われたが、個人的にはその時間があったら古い楽曲が聴きたかったというのが正直なところだ。
先日亡くなったマイケル・ジャクソンのメドレーもあり、客席は盛り上がっていたが、彼女の楽曲が聞きたかったという意味では同様だ。
というのも、彼女の楽曲にはライブで聴きたい曲がたくさんあるからである。
『Private Laughter』『LOVE IS BUBBLE』などライブ映えする楽曲がこのところセットリストから外れているのは残念だ。
2000年の『Let go』ツアーの最終日のアンコールの最後に演奏された『Surprise!』の素晴らしさも忘れられない。
もう一つ個人的なことを言わせてもらえば、まだライブで聴いたことのない『Maze Of Love』(ファーストアルバム『Blue Jam』収録)を生で聴けたらもう思い残すことはないのだが…。
彼女がこれまで発表したオリジナル・アルバムは10枚(ベスト、ライブ、カバーアルバム等除く)、楽曲の数は148曲に上るという。
その全てを彼女は作詞作曲し歌ってきた。
私も正直言って、彼女がこれほど長い間活躍するとは思ってもみなかった。
その間には並々ならぬ努力があったことだろう。
ファンの贔屓目かもしれないが、私は、それらの楽曲のレベルの高さはいかなる邦楽アーティストたちにも劣るものではないと信じている。
いろいろ書いてきたわりに月並みな終わり方になって恐縮だが、彼女の音楽の素晴らしさがもっともっと世間に知られて欲しいと願ってやまない。
(この項終わり)
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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