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『凶悪犯』『BRIGADE ANTI-GANGS』という映画を紹介します。
原作オーギュスト・ル・ブルトン、監督ベルナール・ボルドリー、撮影アンリ・ペルサン、音楽ミシェル・マーニュ、出演ロベール・オッセン、レイモン・ペルグラン、ピエール・クレマンティ
1966年のフランス映画、カラーです。
この作品は当時、日本では『凶悪犯~ギャング特捜隊十人の刑事~』というタイトルで公開されたようです。
監督のベルナール・ボルドリーは、エディ・コンスタンティーヌ主演のレミー・コーション・シリーズや、リノ・ヴァンチュラ主演の『情報(ネタ)は俺が貰った』などの監督で、60年代にはミシェール・メルシエ主演で『アンジェリク』五部作を監督、フランスで大ヒットを飛ばしました。
この五部作は、公開当時、日本では第1作のみしか公開されなかったようなのですが、調べてみますと、現在ではなんと全5作がDVDボックスで発売されています。
これにはホント驚きました。(Amazonへのリンク)
ちなみに、撮影のアンリ・ペルサンは『アンジェリク』五部作すべてのキャメラを担当していますが、あの『史上最大の作戦』のキャメラもワルター・ウォティッツ(『リスボン特急』)らと共に担当していたんですね。
また、音楽のミシェル・マーニュもやはり『アンジェリク』五部作すべての音楽を担当していますが、他の作品にあの『地下室のメロディ』、『冬の猿』、『太陽は知っている』、ブレッソンの『白夜』などがあります。
この作品ではジャズを前面に出した音楽ですが、それがノワール的な作風によく合います。
ビッグ・バンド&オルガンという組み合わせのテーマ音楽も魅力的。
ところでこの『凶悪犯』という映画、これまで存在すら知りませんでしたが、大手レンタル店でたまたま見かけ、借りてみました。
パッケージのノワール的雰囲気と、なにかとメルヴィル絡みのキャストに興味津々だったからです。
刑事役のロベール・オッセンの出演作は『殺られる』(エドゥアール・モリナロ監督)ぐらいしか観た記憶がありませんが、あの『ギャング』に出ていたレイモン・ペルグランの出演作、しかも主演クラスの映画が観られるというのが大きかったのです。
そして、この映画の撮られた年(66年)はベルグラン出演の『ギャング』が撮影され、公開された年でもあります。
つまり、ほぼ同時期の作品ということになるのです。
また、あのピエール・クレマンティまで出ていますし、なんとレイモン・ペルグランの奥方役がシモーヌ・ヴァレール、あの『リスボン特急』でリカルド・クッチョーラの奥方を演じた彼女なのです。(彼女は、私生活ではあのジャン・ドサイの奥方です)
『リスボン特急』よりも6年前に撮影した作品ですから、かなり若く見え、上品な美しさがよく分かります。
イエイエの元アイドルという役柄のピエール・クレマンティは、あの『昼顔』(ルイス・ブニュエル監督)に出演した年であり、あのイメージそのままの弾けた印象なのが嬉しいですね。
そして、ロベール・オッセンの部下の刑事役には、メルヴィルの『この手紙を読むときは』に主演していたフィリップ・ルメールまで出ています。
他の部下の刑事よりも為所のある重要な役で、着ているジャケットも色目の違う洒落たものを着て、他の刑事たちとは一線を画しています。
肝心の内容ですが(ネタバレは避けます)、レイモン・ペルグランらの強盗団と刑事たち、そして、ペルグランの娘の彼氏役のクレマンティの若者集団との関わりが興味深く、かなり面白いものでした。
また、ロベール・オッセンの弟が、サッカー、フランス代表チームのエース・ストライカーという設定がなかなか面白いです。
正直言いまして、いわゆる大傑作の類の作品ではないと思いますが(時間も85分程度と短め)、内容も比較的分かりやすいので、この手のノワール作品がお好きな方には観て損のない映画でしょう。
偶然ですね。私も最近『凶悪犯』を観ました。やはりペルグラン見たさです。
シモーヌ・ヴァレールが出ていたのには驚きました。きれいでしたね。
フィリップ・ルメールも出ていたのですか。それは知りませんでした。
あとIlaria Occhini(イラリア・オッチーニ 読み方はこれでいいのかな?)がロベール・オッセンの妻役で出ていましたね。彼女は『暗黒街のふたり』で、アラン・ドロンの妻で花屋さんの役で出ていました。私はイラリア・オッチーニも好きなのです。
この作品、出来はともかく出演俳優が魅力的ですね。
虎さんも『凶悪犯』ご覧になったのですね。
私も、レイモン・ペルグランが準主役クラスで出ている映画が見つけられて良かったです。
シモーヌ・ヴァレールの登場は予測していなかったので嬉しかったですね。
フィリップ・ルメールはUPした画像(右上の画像)でタバコを加えてブラウン系のジャケットを着ているのがそうです。
オッセンの妻役のイラリア・オッキーニ(この読み方の方が正しいようですね)は『暗黒街のふたり』に出ていた彼女でしたか。
気づきませんでした。
Ilaria Occhiniの読み方を教えていただきありがとうございます。
フィリップ・ルメールがどの人かも教えていただきありがとうございます。
『凶悪犯』のペルグラン、最後の方は凄味がありましたね。ギャング役者の本領発揮といったところでした。
1999年に亡くなったクレマンティは、フィリップ・ガレルらと共にアングラ映画を作っていた時期がありますが、それらの監督作もアニエスBほかの協賛により、フランスのChose vuesからDVDが出ました。英語字幕付き。計3時間40分。カルフォンや家族の出演作もあります。パリのポンピドゥ・センターでは2007年10月5日から15日までクレマンティへのオマージュ上映がありました。
http://choses-vues.com/
クレマンティの映画デビュー作『草原の脱走』(60)は、エディ・コンスタンティーヌ、レーモン・ペルグラン主演です。
クレマンティはメルヴィルのいとこミシェル・ドラック演出、デュマ原作の連続TVドラマ『Les Compagnons de Jehu』(66)にも出ています(仏盤DVDあり)。
クレマンティ出演の有名作に、ヴィスコンティの『山猫』(63)、ブニュエルの『昼顔』(67)、『銀河』(69)、パゾリーニの『豚小屋』(69)、ベルトルッチの『パートナー Partner』(68)、『暗殺の森』(70)があります。
クレマンティは、ピエール・ロム撮影の『カルテット』(81)にも出ています。
イラリア・オッキーニとクレマンティはセルジョ・コルブッチの『虐殺の城塞 L'Uomo que ride』(66)でも共演しています。パウル・レニの『笑ふ男』(28)のリメイクです。オッキーニは、フランチェスカ・アルキブージの『明日、陽はふたたび』(2001)に出ています。彼女は作家ジョヴァンニ・パピーニの孫娘です。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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