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フリッツ・ラング監督の『マン・ハント』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。
『MAN HUNT』(41年)
監督:フリッツ・ラング
原作:ジェフリー・ハウスホールド
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:アーサー・C・ミラー
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ウォルター・ピジョン、ジョーン・ベネット、ジョージ・サンダース、ジョン・キャラダイン、ロディ・マクドウォール
初見。
1939年のドイツが物語の発端であり、そこから舞台はロンドンへと移る。
この映画が作られたのが1941年だから、反ナチスのプロパガンダ映画であることは確かなのだろう。
日本では長らく劇場未公開だったらしい。
映画の出来としてはなかなか魅せるシーンが多く悪くないのだが、良くも悪くもフリッツ・ラング監督らしいというか、どこかヘンな感じの映画である。
フリッツ・ラング監督の反ナチ映画ということでは『死刑執行人もまた死す』(43)の方が日本では有名だが、この作品はそれより2年前の作品であるせいか、意外と重苦しい空気というわけでもない。
主演のウォルター・ピジョンの持ち味が、どこかロバート・ミッチャム的なニヒルさを感じさせるせいかもしれない。
また、ジョーン・ベネットの明るさもその理由の一つだろう。
一方でナチの刺客を演じるジョン・キャラダインが不気味な雰囲気を醸し出しており、“ラング的匂い”を強く感じさせた。
地下鉄のシーンは極上のサスペンスとなっていた。
ちなみに、今回観たジュネス企画のDVDは画質音質ともに決して悪くないのだが(というかこの時期のものにしては良い方かもしれない)、ナチスのセリフ(ドイツ語)にほとんど字幕が出ないというのはどういう意図なのだろうか。
二言三言ならともかく、結構たくさんドイツ語のセリフがあったから、字幕なしでは映画の内容を理解する上で厳しいと思うのだが。
監督の意図であったりとか、アメリカ公開時もドイツ語のセリフに関しては字幕が出なかったというのなら話は別だけど…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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