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以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『夜霧の恋人たち』。
『BAISERS VOLES』 (68年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、クロード・ド・ジヴレー、ベルナール・ルヴォン
撮影:ドニ・クレルヴァル
音楽:アントワーヌ・ドゥワメル
出演:ジャン=ピエール・レオー(アントワーヌ・ドワネル)、クロード・ジャド(クリスチーヌ・ダルボン)、デルフィーヌ・セイリグ(ファビエンヌ・タバール)
92分、カラー
原題の意は『奪われた唇』。
『大人は判ってくれない』、『二十歳の恋』に続く“ドワネルもの”の第3作に当たる作品です。
アントワーヌが軍隊を除隊し、職業を二転三転、人妻にうつつをぬかしながらも結婚を決意するまでがここでは描かれています。
全体にコメディタッチで生き生きとしたテンポ感があり、なんともいえない明るい幸福感のある作品となっており、それがとても魅力的。
アントワーヌ・ドワネルという愛すべき人物のいかがわしさ、いい加減さが全面的に披露され、目が離せません(笑)。
特に、探偵事務所に勤め、晴れて探偵となったアントワーヌのダメっぷりには笑わされます。
そして、ここで初めて登場することになるクロード・ジャド。
アントワーヌの婚約者となるクリスチーヌを演じていますが、とても初々しい魅力があり、(ここでは)アントワーヌとは実にお似合いのカップルです。
『去年マリエンバートで』や『ブルジョワジーの密かな愉しみ』などで知られる女優、デルフィーヌ・セイリグの出演も嬉しいところ。
なんともエレガントな美しさで、アントワーヌならずとも心動かされますが、特に、彼女が初めて登場する、閉店後の靴屋でアントワーヌが彼女を認める場面は、実に詩的で素晴らしいシーンです。
また、アントワーヌが勤める探偵事務所の面々も個性的な連中ばかり。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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