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以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『黒衣の花嫁』。
『LA MARIEE ETAIT EN NOIR』 (67年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン=ルイ・リシャール
撮影:ラウル・クタール
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ジャンヌ・モロー(ジュリー・コレール)、ジャン=クロード・ブリアリ(コレー)、シャルル・デネ(フェルギュス)
107分、カラー
内容は、ふとしたきっかけで結婚式において結婚相手を殺されてしまった花嫁が、加害者5人に対する復讐の旅に出る…というもの。
後の『暗くなるまでこの恋を』と同様に、ウィリアム・アイリッシュの原作をトリュフォーが映画化したもの。
映画の題材としてもちろん悪くなく、ストーリー的にもかなり面白い作品です。
後で述べるように、作品としては欠点もいろいろ目に付く作品ですが、個人的にはこの作品はかなり好きなんですよね。
加害者側の5人の男たちのキャスティングも良く、画家役のシャルル・デネを始め、いかにも一癖も二癖もありそうな個性的な連中ばかりですし、出番が少ないのが勿体無いながら、その友人役のジャン=クロード・ブリアリの存在感も良し。
一方、『突然炎のごとく』から6年後のジャンヌ・モローは存在感はさすがに大したものですが、急激に老けた感じで、期待したほどヒロインとしての魅力が感じられないのがちょっと惜しいかな・・・。
役が役なので、彼女本来の明るい魅力が発揮されていないのは残念な気がします。
また、映画そのものの雰囲気がどこか寒々しい感じがするのも残念な点。
トリュフォー自身も言っていることですが、白昼のシーンが多く、しかもカラーで撮影されたばかりに作品そのもののミステリアスなサスペンス的側面が感じられなくなっているのがその原因と言えるでしょう。
ストーリーが面白いだけに、なんとも勿体無い気がします。
実際、トリュフォーはこの反省を踏まえ、後に『日曜日が待ち遠しい!』を白黒で撮ることにするわけですが…。
音楽を担当したハーバード・ハーマン(ヒッチコックの映画音楽で有名)の音楽も、どうも映画に乗り切らない感が拭えず、特に画家の部屋における音楽が大げさ過ぎて作品に合っていない気がしてなりませんでした…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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