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ジェラール・ウーリー監督の『大追跡』を国内盤DVDで観た感想です。
『Le Corniaud』(65年)
監督:ジェラール・ウーリー
脚本:マルセル・ジュリアン、ジェラール・ウーリー
撮影:アンリ・ドカ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ブールヴィル、ルイ・ド・フュネス、アリダ・ケッリ、ベバ・ロンカー、ランド・ブッツァンカ
60年代のフランスのコメディ俳優といえば、個人的にはジャック・タチが馴染み深いのですが、当の本国フランスではブールヴィル、ルイ・ド・フュネスが大変な人気で、彼らが主演したこの『大追跡』、後の『大進撃』(66年)などはフランス映画史でもトップクラスの大ヒットを記録したといいます。
これらの作品は当時日本でも公開されたようですが、日本の観客の受けはどうだったのでしょうか。
かくいう私も、彼らのコンビ作を観るのは今回が初めてだったのですが、内容はかなり面白かったです。
作風としては地味と言えば地味ですし、これといったスター俳優、スター女優は出てきませんので、その辺が日本で今一つ受けていない(?)理由かもしれませんが、ストーリーのテンポが実に良く、脇役も含め、俳優陣が皆魅力的な作品でした。
特に、お人好しのアントワーヌを演じるブールヴィルがいい。
こういう作品を観ると、メルヴィルの『仁義』(70)において、彼が演じたマテイ警視役がいかに彼にとって大きな挑戦であったのか分かってくるような気がします。
そして、『仁義』での警視役は卑劣なこともする割には、どこか温かみを感じさせる人間像でしたが、それは、ブールヴィルの生まれ持ったキャラクターによるものだということが、分かってくるような気がします。
もちろんブールヴィルのそういった要素を活かしたメルヴィル演出という側面もあるのでしょう。
彼に絡む女優二人も良く、アンリ・ドカによる撮影、ジョルジュ・ドルリューの音楽も結構なものでした。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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