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セルジュ・ブールギニョン監督の『シベールの日曜日』を国内盤DVDで観た感想。
『CYBELE OU LES DIMANCHES DE VILLE D'AVRAY』(62年)
監督:セルジュ・ブールギニョン
脚本:セルジュ・ブールギニョン、アントワーヌ・チュダル
撮影:アンリ・ドカ
音楽:モーリス・ジャール
出演:ハーディ・クリューガー、パトリシア・ゴッジ、ニコール・クールセル、ダニエル・イヴェルネル、アンドレ・オウマンスキー
初見。
セルジュ・ブールギニョン監督の長編第1作であり、アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
長らく国内DVD化が熱望されていた映画であり、Amazon等のレビューを読む限り、現在でも一般的な人気が高い作品のようです。
以前もこのブログで紹介したことがありますが(記事はこちら)、監督のセルジュ・ブールギニョンは学生時代にジャン=ピエール・メルヴィルに映画作りを教わり、その縁で20歳にして『恐るべき子供たち』(50)の助監督を務めています(ノンクレジット)。
言うまでもなく『恐るべき子供たち』の撮影監督はアンリ・ドカであり、『シベールの日曜日』にドカが起用されたのもその縁なのでしょう。
また、あまり知られていない事実かもしれませんが、シベール(フランソワーズ)役のパトリシア・ゴッジはこの作品の前年(61年)にメルヴィルの『モラン神父』にエマニュエル・リヴァの娘役で出演しています。(『シベールの日曜日』が彼女の映画初出演だという記事もあるが、これは間違い)
当時『モラン神父』がフランス国内でヒットしたこともあり、セルジュ・ブールギニョンは『モラン神父』を観てパトリシア・ゴッジをこの映画にキャスティングした可能性は高いと思われます。
ちなみに、『モラン神父』の撮影監督もやはりアンリ・ドカ。
いろいろな意味でメルヴィルとも縁のある作品だといえましょう。
そんなわけもあってこの作品のDVDを買って観たのですが、映画自体は大変素晴らしい。
なんといっても、圧倒的に魅力的なのはアンリ・ドカの撮影。
なんという美しいモノクロ映像でしょう。
これだけでもこの映画は不滅だと思います。
ただ、映画の内容には今一つ共感できませんでした。
主演のハーディ・クリューガー、パトリシア・ゴッジともに演技は見事なのですが、その人物像というか、キャラに私はどうしても付いていけなかった。
この点がこの映画を好むか否かの分岐点なのではないかと思われます。
ピエールの愛人マドレーヌ役のニコール・クールセルは『港のマリー』(49年。マルセル・カルネ監督)に出演していた女優であり、それから10年余り、そのまま大人の女性に美しく成長していて魅力的。
しかし、どう考えてもイカレているピエールに献身的に尽くす姿がせつなくも理解不能。
まァ、だからこそ映画だとも言えるわけですが…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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