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ジャン=リュック・ゴダール監督の『男性・女性』を国内盤DVD(ギャガ・コミュニケーションズ)で観た感想。
『MASCULIN FEMININ』(65年)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ウィリー・クラン
音楽:フランシス・レイ
出演: ジャン=ピエール・レオー、シャンタル・ゴヤ、マルレーヌ・ジョベール、カトリーヌ=イザベル・デュポール、ミシェル・ドゥボール、ブリジット・バルドー、フランソワーズ・アルディ
再見。
ゴダールでは『気狂いピエロ』と『メイド・イン・USA』の間のモノクロ作品となる。
この作品を観るのは今回で3回目くらいだが、正直言って、以前観た時はつまらないという印象しか残らなかった。
ところが、今回観直してみて、意外なほど楽しめた。
ほとんど期待しないで観始めたせいだろうか。
確かに男女間の会話がほとんどの内容で100分あまりの長さは冗長な感は否めないのだが、パリのロケ撮影の生々しさと出演俳優たちの若々しさが相俟って、なんとも惹きつけられたのである。
撮影が珍しく盟友ラウル・クタールではなくウィリー・クランなのだが、これが決して作品の弱点にはなっていない。
それどころか、ドキュメンタリー・タッチでパリの表情を切り取った映像は大変魅力的だった。
主演のジャン=ピエール・レオーとシャンタル・ゴヤもいい。
この映画においても、やはりジャン=ピエール・レオーはいつものジャン=ピエール・レオーであり、その意味において彼らしいとしか言いようのない役柄だが、ここまでイキイキと(彼自身?を)演じ切っていると観ていて気持ちいい。
ジャン=ピエール・レオーといえば、どうしてもトリュフォー作品のイメージの方が強いわけだが、(『メイド・イン・USA』『中国女』等、他のゴダール作品の印象も含め)ゴダール作品との相性は良いと思う。
ヒロインのシャンタル・ゴヤはアップになると意外なほど角張った顔立ちなのが気になるが、可憐さは申し分ない。
アンナ・カリーナの不在を物足りなく感じさせないだけでも上出来である。
そして、今回観ていて初めてマルレーヌ・ジョベール(『最後のアドレス』『雨の訪問者』のヒロイン)がこの映画に出ていることに気付いた。
あまり目立つ役ではないが、常にシャンタル・ゴヤに寄り添っている関係はどことなくレズビアンの匂いが漂っている。
また、レオーの友人役のミシェル・ドゥボールがいい。
映画の冒頭でのカフェのシーンにおけるレオーとのやり取りもいいが、カトリーヌ=イザベル・デュポールを口説いている時のニヤついた表情が最高。
ところで、山田宏一著『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』(ワイズ出版)によれば、
ゴダールの「政治の季節」がはじまるのは『男性・女性』からである。(327p)
ということで、実際、この後のゴダールの映画の内容はどんどん政治的になってゆくわけだが、この作品は政治的な色合いは確かにあるものの、それ一辺倒というわけではなく、まだなんとか気にせずに観ていられるレベルだと思う。
小難しい感がして好きになれなかったんですが
シャンタル・ゴヤのキュートさ(角度によってよりキュート!)のおかげで
段々好きになってきた作品です
彼女が歌う曲も決して上手くはないんやけど
映像とともに聴くといい感じなんですよね
今から考えるとシャンタル・ゴヤとゴダールの組み合わせはかなり不思議ですが、ゴヤのおかげでアタマでっかちなだけの作品から辛うじて脱している印象があります。
シャンタル・ゴヤの歌はいいですね。
当時はフランス・ギャルと同じような魅力がありました。
昔CD買おうか迷ったけど、結局買わなかったな…。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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