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『LE COUP DU BERGER』(56年)
製作:ピエール・ブロンベルジェ、クロード・シャブロル
監督:ジャック・リヴェット
脚本:クロード・シャブロル、ジャック・リヴェット、シャルル・ビッチ
音楽:フランソワ・クープラン
撮影:シャルル・ビッチ
助監督:ジャン=マリー・ストローブ
出演:ヴィルジニー・ヴィトリ、ジャン=クロード・ブリアリ、エティエンヌ・ロワノ
男女の恋愛の駆け引きをチェスの手になぞらえたのがこの映画のタイトルです。
28分の短編ですが、ピエール・ブロンベルジェ、クロード・シャブロル製作による作品で、ヌーヴェル・ヴァーグの最初の作品とも言われています。
スタッフを見てもお分かりの通り、ヌーヴェル・ヴァーグの関係者が軒並み撮影に協力した映画であり、出演者のエティエンヌ・ロワノは、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ(『カイエ・デュ・シネマ』誌の編集長で『唇によだれ』の監督)の俳優名です。
撮影はシャブロルのアパートで行われ、最後のパーティ場面にトリュフォーとゴダールがチラリと出ています。(トリュフォーにはセリフもあります。シャブロルも出ているとの説もあり)
山田宏一氏の著書『わがフランス映画誌』掲載のピエール・ブロンベルジェのインタビューによると、メルヴィルとアラン・レネも映画に協力し、出演もしているとのことでしたが、画面を見るかぎりハッキリとは確認できません。(国内盤DVDの映像が暗めであることも影響しているかもしれません)
そして、これはジャック・リヴェットの処女作とのことですが、とても処女作とは思えない魅力的な作品です。
脚本、構成、撮影に無駄がなくスッキリとまとまっていますし、オチもしっかりしています。
私はこの作品が気に入って、2回続けて観てしまいました。
キャストも、ことにヒロインのヴィルジニー・ヴィトリが魅力的で素晴らしい。
また、初期ヌーヴェル・ヴァーグに欠かせぬ顔、ジャン=クロード・ブリアリもすでに彼ならではの存在感を発揮しています。
バロック音楽の作曲家フランソワ・クープランの音楽の使い方も効果的で、メルヴィル監督の『恐るべき子供たち』(50)におけるヴィヴァルディ、バッハの音楽の使い方を思い起こします。
ちなみに、撮影を担当したシャルル・ビッチは、以前このブログでも紹介したゴダールの『女と男のいる舗道』の助監督であったことで知られる人ですが、メルヴィル監督の『マンハッタンの二人の男』では助監督とカメラオペレーターを、『いぬ』では助監督を務めています。
http://www.sensesofcinema.com/contents/08/46/charles-bitsch-works.html
昨日、「リベラシオン」のゴダール・インタヴューを読みましたか。友人から招かれたことは一度もないと言っていますが。
「そうですね、それは、まったくの真実というわけではありません。私の両親の店で過ごした非常に濃密な時代でした。両親は1954年か1955年に「カフェ・ド・ラ・コメディ」というカフェを、1区のコメディ・フランセーズ向かいの、パレ・ロワイヤル近くに開きました。1階にカフェがあり、両親と私は上の階に住んでいました。私たちは、午後に、このカフェの1階でリヴェットの『王手飛車取り』の台本を書きました。私たちはそこで別の映画の台本も書きました。『Les Quatre Jeudis』と題されたリヴェットの初長編もですが、実際には撮影されませんでした。私たちはその店でいろんなことをしました。批評を書いたり、仲間の批評を読んだり、お互いの批評を添削しあったりしました。トリュフォーは記者として多忙だったので、あまり顔を見せませんでした。シャブロルはよく私たちと午後を一緒に過ごしました。彼はもう既婚者で父親だったんですが。ゴダールは何度か顔を見せました。彼が加わるかどうかはいつも予測不能でした。私たちは正午に集合し、私は「よし、うちの店で昼食を食べよう。ジャン=リュック、君も来るかい?」と言いました。彼が来る時もありました。彼は普通の人間ではないので、よく会っていたわけではありません。ゴダールは3回か4回、トリュフォーやリヴェットとは150回くらい会っていました。私たちはついていました。食事はおいしかったので」。
ご両親のおかげですね。
「ええ、その後も同じことがありました。両親がパリを離れ、パリ郊外の60キロ離れた「ラ・クロワ・ドール」という名の宿屋を始めたときです。その界隈で、私たちは『突然炎のごとく』や『気のいい女たち』の数場面を撮りました。ゴダールも来ました。当時の私の恋人がジャン=リュックを私の父親と間違えたのを覚えています」。
なぜ、彼があなたの父親だと?
「なぜなら1959年に、彼はずっと黒眼鏡をかけ、無精ひげをはやしていたからです。彼女をジャン=リュックに紹介したのは、『勝手にしやがれ』撮影直前でした」。
http://www.sensesofcinema.com/contents/08/46/charles-bitsch-interview.html
私もこのDVD持ってますよ
『美しきセルジュ/王手飛車取り』発売元IVC
多分同じものかと思います・・・確かに鮮明ではないので
私もメルヴィル監督のお姿は確認できませんでした
トリュフォー監督はナレーションも担当されてましたよね
本当にオチがきいて短編ながら面白い内容だったのですが
『フランス式十戒』の中でのフランソワーズ・アルヌール主演の宝石のお話と極似している様に思いましたが・・・
まず、きちんと確かめていませんが、『王手飛車取り』のナレーターはリヴェットだと思います。
『王手飛車取り』と『フランス式十戒』の元ネタの小話については、BBSのNo.981を参照していただければと。
ちなみに、上記投稿で引用したゴダールの発言「ボブ・モンタニエの生まれたところで、僕は妻を死なせる」は、ブログ5月2日の「『女と男のいる舗道』」で言及されているように、『女と男のいる舗道』の最後のナナ(アンナ・カリーナ)殺害場面をジェンネル撮影所界隈で撮ったことを踏まえているのでしょう。
上記記事に付したコメントのシャルル・ビッチ発言も参照。
色々とお答えいただきありがとうございます<(_ _)>
ナレーションの声はてっきりトリュフォー監督のお声かと・・・
勘違いですね、、、お恥ずかしいです
BBSのNo.981も私は未読だったかと思います
後ほど改めて参照させていただきます
このDVDにはかなり詳しく書かれた小冊子も付いておりましたので
また読み返してみたいと考えてます
マサヤさん
Fauxさんから私への呼び掛けみたいでしたので
返事を書かせていただきました
ごめんなさいね
もう一度DVD観ました!
メルヴィル監督発見のために(笑)
ゴダール監督の隣に座ってる方も違いますよね
ちょーーーっと似ているような気もしましたが・・・
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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