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ジャック・ドレー監督の『ポーカーフェイス』を国内盤DVD(パイオニア)で観た感想です。
『TROIS HOMMES A ABATTRE』(80年)
監督:ジャック・ドレー
製作:アラン・ドロン
原作:ジャン=パトリック・マンシェット
脚本:アラン・ドロン、ジャック・ドレー、クリストファー・フランク
撮影:ジャン・トゥルニエ
音楽:クロード・ボラン
出演:アラン・ドロン、ダリラ・ディ・ラッツァーロ、ミシェル・オークレール
初見。
いわゆる巻き込まれ型サスペンスもので、アラン・ドロンが製作、脚本、主演を兼ね、お馴染みのジャック・ドレー監督と組んだ作品。
ストーリーは、武器産業のスキャンダルの絡んだ殺人事件にたまたま居合わせてしまったために、秘密を知ったと思われたアラン・ドロンが組織から命を狙われてしまうというもの。
観ている間は、正直その設定に少々無理があるような気がしてなりませんでしたが、内容はなかなか面白かったです。
輝かしい作品の数々が並ぶアラン・ドロンの主演作の中では、傑作とまでは言えないまでも、佳作の部類に入る作品と言ってよいのではないでしょうか。
前半はアラン・ドロンの存在感がどこか今一つのように見えましたが、拳銃を手にした後半からは精彩が出てきていかにも彼らしい存在感を発揮しています。
役柄としては、ドロン自身意識していたかどうか分かりませんが、どちらかというとジャン=ポール・ベルモンドが得意とする役柄に近い印象を持ちました。
それと、この映画は、脇役になかなか味のある俳優が揃っています。
ミシェル・オークレールは、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『情婦マノン』(49)に主演していた俳優ですが、風貌がいかにも渋い感じになっていて魅力的でした。
メルヴィル監督の『影の軍隊』(69)に出演していたクリスチャン・バルビエがリエタール役で出演、出番こそ少ないものの、なかなか存在感のある演技を披露しています。
他に、愛人役のダリラ・ディ・ラッツァーロも悪くなかったですし、刑事役の俳優や、武器会社の社長役の俳優(『Z』にも出ていた俳優)など、地味ですが魅力的でした。(こういった俳優の名前がDVDの解説に掲載されていないのは残念です)
また、クロード・ボランの音楽は、この作品ではクラシカルな響きが特徴となっています。
国内盤DVDの画質は、レンタルビデオ並みといえば言い過ぎでしょうが、80年という年代を考えればかなり不満でした。
カテゴリーに“ジャック・ドレー”追加しました。
TBありがとうございます。
記事にはあえて書きませんでしたが、ラストはどうなんでしょうね…。
確かにインパクトはありましたが…。
ドロンさんが脚本も担当していますから、ご本人の意向が大きかったのでしょうけど。
クロード・ボリンのストリングスを使ったサウンドは、こういった作品ではかえって新鮮でしたね。
早朝に恋人のそばでコーヒーと朝食を用意したり、
母の経営する南仏のホテルのレストランで父の事をさりげなく非難したりといった、
主人公の自然体の姿をさりげなく演じているドロンさんが珍しいです。
迫力のあるレミ・ジュリアンのカー・スタント・シーンの中で
危うく少女を引きそうになって急ブレーキをかけて助かり、
思わず安堵の表情を浮かべるところなどもいかにもフランス映画らしい場面ですね。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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