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アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『悪魔のような女』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。
『LES DIABOLIQUES』(55年)
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
原作:ボワロー=ナルスジャック
脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ジェローム・ジェロミニ
撮影:アルマン・ティラール、ロベール・ジュイヤール
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス
出演:シモーヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾー、ポール・ムーリス、シャルル・ヴァネル、ジャン・ブロシャール
再見。
今回観たDVDはHDニューマスター版だけあって、画質はとても良い。
作品は今さら言うまでもない大傑作。
この映画に影響を受けている映画は数限りなくありそう。
その最も有名な一つはヒッチコックの『サイコ』(60)だが、あの『めまい』(58)も『悪魔のような女』と同じ原作者ボワロー=ナルスジャック(二人の作家の共作)の作品なのだというからその影響力がしれようというものだ。
全体的にクルーゾー監督のショッカー的演出が冴え渡った作品だが、とにかくキャストが素晴らしい。
作家の谷崎潤一郎はこの映画のシモーヌ・シニョレが大のお気に入りだったというが、それも納得の風貌、演技である。
一方で、あのシモーヌ・シニョレに位負けしない演技と存在感を見せ付けたヴェラ・クルーゾーは密かに(?)凄い女優だ。
映画の後半はほとんどヴェラ・クルーゾーの独り舞台だといってよい。
校長役のポール・ムーリッス、探偵役のシャルル・ヴァネルは出番こそ多くないが、ともに存在感はさすが。
そういえば、メルヴィルの『影の軍隊』(69)ではシモーヌ・シニョレとポール・ムーリスがキャメラに同時に映るシーンはなかっただけに、この映画での二人の共演シーンはやけに新鮮に映った。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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