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ルイ・マル監督の『さよなら子供たち』を国内盤DVD(紀伊国屋レーベル)で観た感想。
『AU REVOIR LES ENFANTS』(87年)
監督・脚本:ルイ・マル
撮影:レナート・ベルタ
音楽:フランツ・シューベルト、サン=サーンス
出演:ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット、スタニスタス・カレ・ド・マルベール、フィリップ=モリエ・ジェヌー、フランソワ・ベルレアン、イレーヌ・ジャコブ
初見。
第2次大戦中のナチスドイツ占領下のフランスの寄宿舎が舞台。
ルイ・マル監督の個人的体験を元にした自伝的な映画であり、監督自身、本来は処女作として撮りたかったというくらい思い入れの強い題材だったという。
画面はカラーであるにもかかわらず暗く沈んだ色調で、その時代の怖い空気、雰囲気を観る者にも強く印象付けている。(今回観た紀伊国屋のDVDはHDニューマスターを謳っているわりには画質があまり明瞭でないが、もともとそういう画質なのだろうか?)
内容は抑制された演出の中、ドキュメンタリータッチで淡々と進行してゆく。
無名時代のイレーヌ・ジャコブがちょい役のピアノ教師役で出ているくらいで、華やかなシーンも全くと言ってよいほどない。
全編に渡って、監督が愛情を込めて丁寧に撮っている映画という印象が強いが、内容的には退屈に感じる人も少なくないだろう。
ところどころで使われるシューベルト『楽興の時』第2番が映画の雰囲気にピッタリはまっていて、この音楽が流れるシーンはいずれも感動的。
DVDの解説(インタビュー)によれば、監督が子供時代に習っていたピアノ曲なのだという。
それにしても、ロベール・ブレッソン監督の『バルダザールどこへ行く』といい、フランス映画?にはシューベルト、それもピアノ曲がよく合う気がする。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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