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ジャン=リュック・ゴダール監督の『ヌーヴェルヴァーグ』を国内盤DVDで観た感想。
『NOUVELLE VAGUE』(90年)
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー
出演:アラン・ドロン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ、ロラン・アムステュツ、ラファエル・デルパール
初見。
紀伊国屋から出ているこの映画のDVDを所有しているのでこれまで何度もトライしたのだが、映画が始まって10分ほどで睡魔に襲われることが常で、ずっと観ることが叶わなかった。
今回なんとか最後まで観ることができてそれだけでも感慨無量である。
それにしても、この映画を最後まで観るのはしんどかった。
正直言って観ていてつまらなくてしょうがなかったのだ。
ゴダールの映画だから、と納得して(諦めて?)いなかったら、またあのアラン・ドロンが出ていなかったら途中で観るのをやめてしまっていたかもしれない。
確かにいろいろ深読みのできる言葉や美しい映像は出てくる。
また、アラン・ドロンのキャリアを知っていればニヤリとするようなシーンも用意されている。
それらを味わうのはある種知的な作業であり、そういったことを楽しむ能力や余裕が備わっている人にはこの映画は格別の魅力があるかもしれないが、私はこの映画から強く惹き付けるだけの魅力は感じなかった。
観ている間中も、観終わってからもどこかどんよりした重い気分だけが残った。
遠い将来はわからないが、今は再び観直してみようという気にもならない。
DVDの特典映像にゴダールと村上龍の対談が収録されている。(20数分)
対談といっても、村上龍はゴダールに関心があるが、ゴダールは村上龍に明らかに関心がないわけで、村上龍のゴダールに対するインタビューというのが実情なのだが(ハッキリ言って情けない質問ばかり)、ゴダールの受け答えは結構真面目である。
ゴダールの言葉を聞いていると、今さらながらだが、この人が“普通の映画”を撮る気がもはや全くないことが分かる。(いわゆる“ストーリー”は小説家に任せればいいと言っている)
まあ、“普通の映画”を撮らなかったからこそゴダールは生ける伝説になったわけで、そんなものを期待する方が大間違いなのだが、こんな映画を見せられるともうちょっとなんとかならないの?と言いたくもなる。
つまりは、私がゴダールのことを何も分かってないってことなんだろうけど・・・。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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