[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Criterion盤DVD『仁義』の特典映像に収録されている助監督ベルナール・ストラのインタビューの翻訳を長々と紹介してきましたが、このインタビューの紹介も今回で最終回となります。
英語字幕を参考にしたとはいえ、映像にして30分に及ぶインタビューを訳出することは私にとってはかなりの難事業で、実際のところは誤訳もさぞや多いことだろうと思われますが、ご明察、ご了解の上、お読みいただけたらと思います。
ベルナール・ストラは、『仁義』だけでしかメルヴィル監督とかかわりがありませんが、このインタビューを読みますと、メルヴィルという人を実に客観的に理解しているという印象があります。
メルヴィル監督の人となり、映画への取り組み方などがある程度はご想像いただけるのではないでしょうか。
『師の教え』
私は、映画を制作する希望や夢を持っていたあの時期に、メルヴィルから学んだことは次のようなことだと思っています - つまり、大切な事は撮影の場に集中するということです。
アイデアは、当然ですが、さまざまな時に浮かぶものです。
そのアイデアを展開させ、映画のことを総体的に考えることもできるわけですが、事が本当に起こるのは、セットの中でのある一瞬なのです。
メルヴィルから学んだことは、映画撮影とは、決して既定の事実に沿ったものではないということです。
ある1日の映画撮影においては- 各撮影のために、エネルギーと創造力を生み出さねばなりません。
あるシーンの細部を仕上げ、次の段階へと移る前に、そこには常に撮影のためにできる何かがあるのです。
新しいアイデアを捻出するのに遅すぎるということはありません。
当然、周囲の人々は「もっと早くそのことを考えなかったんですか?」というような不満を言うでしょう。
けれどもそれは重要ではありません。
長い時間を共に働いている現場のスタッフに対してきつく当たるべきではありませんが、何より重要なことは、新しいことを常に試みようとすることなのです。
それが映画を決して型通りとはしないのです。
メルヴィルはその点が見事でした。
彼にはアイデア- それも真のアイデア- がありました。
彼は、ただ映画を撮っただけではなく、この業界をも揺り動かしたのです。
この項終わり。
先日DVDでこのインタビューを見返してみたのですが、
確かに言葉の量も多く翻訳作業は大変だったことと思います。
本当にお疲れ様でした。
マサヤ様のメルヴィル探求のご努力に敬意を表します。
温かいお言葉いただきありがとうございます。
何よりも自分自身がインタビューの内容を知りたいというのが翻訳の原動力でしたが、なにぶん翻訳力が足りないので、かなり読みにくいと思います。
その点、お詫びします。
今後も恥を忍んで、いろいろな海外の資料を紹介していきたいと考えています。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
リンク、コメント、TB等はご自由にどうぞ。