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以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『柔らかい肌』。
『LA PEAU DOUCE』 (64年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン=ルイ・リシャール
撮影:ラウル・クタール
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ジャン・ドサイ(ピエール・ラシュネー)、フランソワーズ・ドルレアック(ニコル・シュメット)、ネリー・ベネデッティ(フランカ)
118分、モノクロ
文芸評論家の中年男性と、若いスチュワーデスの不倫模様を描いた作品。
男女の、恋愛に至るまでの微妙な心理の変化と、繊細な恋愛心理を巧みに描き出したサスペンスチックな恋愛劇であり、その繊細な心理描写がいかにもトリュフォーらしい。
中でも、エレベーターの中で2人が互いを認め合うシーンが印象的。
映像の細かいカット割りが、両者の心理状態を丁寧に写し出していて見事です。
ヒロインのニコルを演じるフランソワーズ・ドルレアックは、ご存知のようにカトリーヌ・ドヌーヴの実の姉で、後に交通事故で早逝してしまったため、トリュフォー作品への出演はこれだけになったのが大変に惜しい。
主演作品の代表作としては、この作品とジャック・ドゥミ監督の『ロシュフォールの恋人たち』が挙げられるのではないかと思われます。
この映画では、ミステリアスな存在感がとても魅力的で、特にバーで明るく踊るシーンが個人的には好きです。
メルヴィルの『いぬ』や『リスボン特急』にも出演している名優ジャン・ドサイ演じる文芸評論家ピエール・ラシュネーは、中年男性という設定であり、また役柄の性格も優柔不断で、あまり魅力的な役柄とは言い難いのは事実です。
感情をほとんど表に出さないこともあり、観ていて今一つ感情移入しにくいきらいもありますが、それに関してはトリュフォー自身の指示によるものだったとのことで、これはこれでしょうがないのかもしれません。
むしろ、ジャン・ドサイの持ち味と存在感によって、映画全体に落ち着いた雰囲気がもたらされたことを可とすべきなのではないかと思われます。
実際の撮影では、トリュフォーとドサイの関係はあまり良くなかったらしいのですが…。
あと、なんといってもラウル・クタールによるモノクロの映像の美しさは特筆モノの素晴らしさですし、ヒッチコックの演出を彷彿とさせる、後半の写真のくだりからラストにかけての緊迫感も素晴らしい。
あと、奥さんがコワイ…(笑)。
フランソワーズ・ドルレアック
本当に綺麗な女優さんでした!
私が初めて観た彼女の作品はベルモンドと共演の『リオの男』でしたが
若くして亡くなってらっしゃるので
どの作品の彼女も本当にも輝いてます
でも、トリュフォー監督とのこの作品『柔らかい肌』は格別かと、、、
ドサイ氏の中年の魅力も印象的です(笑)
以前記事に書いてましたのでTBさせていただきますね
コメント&TBありがとうございます。
そうそう、フランソワーズ・ドルレアックは『リオの男』にも出てましたね。
思い出しました。
それでも、この『柔らかい肌』は格別だと私も思います。
評価は分かれるようですが、個人的には好きな作品なので、また近く見直してみたい作品です。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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