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ジャン・ルノワール監督の『ピクニック』を国内盤DVDで観た感想です。
『Une Partie de Campagne』(36年 完成は46年)
監督:ジャン・ルノワール
脚本:ジャン・ルノワール、ギイ・ド・モーパッサン
撮影:クロード・ルノワール
音楽:ジョセフ・コズマ
出演:シルヴィア・バタイユ、ジョルジュ・ダルヌー、ジャヌ・マルカン、ジャック・ボレル、ガブリエル・フォンタン
紀伊国屋から出ているDVDを所有しているが、これで2回目の鑑賞。
DVDの画質はとても良い。
助監督に、ジャック・ベッケル、ルキノ・ヴィスコンティ、イヴ・アレグレ、アンリ・カルティエ=ブレッソンという、嘘じゃないかという凄い面々。
様々な事情が絡んだ結果、途中で撮影が中止となってしまった作品だが、戦後プロデューサーのピエール・ブロンベルジェの尽力によって完成した。(ピエール・ブロンベルジェはメルヴィルの『海の沈黙』のプロデューサーでもありました)
僅か39分の映画となってしまった作品なのだが、その見応え、満足感は2時間ものの傑作映画に勝るとも劣らない!
自然、森、川、水、雨、そして性と、ルノワール映画のエッセンスが、奇跡的にブレンドされており、この映画の官能性は、どんなエロビデオよりもエロいんじゃないか、と思う。
DVDには撮影風景が本編以上の長時間収録されているが、それらもなんとも貴重な映像である。
とりわけ、本編以上に濃厚なキスシーンを撮っていたことに驚かされる。
ブランコに乗るシルヴィア・バタイユを正面から捉えたカットの素晴らしさには言葉もない。
ジョゼフ・コスマの音楽も素晴らしく、どこかヴェルディやプッチーニ、マスカーニなどの最上のイタリアオペラを彷彿とさせる。
気になる点は、男優陣のキャラ、風貌にことごとく魅力がない点だが(カフェの主人役のルノワール本人除く)、シルヴィア・バタイユ一人の魅力が全て帳消しにする。
雨のシーンが凄い!
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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