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ジョーゼフ・H・ルイス監督の『ビッグ・コンボ』を国内盤DVDで観た感想です。
『The Big Combo』(54)
監督:ジョーゼフ・H・ルイス
脚本:フィリップ・ヨーダン
撮影:ジョン・オルトン
出演:コーネル・ワイルド、リチャード・コンティ、ジーン・ウォレス、ブライアン・ドンレヴィ
紀伊国屋書店から発売されているDVDボックス『フィルム・ノワール傑作選』に収録されている作品の一つで、今回が二度目の鑑賞。
日本公開時の題名は『暴力団』といったらしいですが、日本語のこの言葉のイメージとは映画の内容はかなりニュアンスが異なる感じですので、現況のDVDのタイトルでよいのではないかと思います。
ジョーゼフ・H・ルイス監督の作品では日本では『拳銃魔』(50)の方が有名かもしれませんが、個人的には『ビッグ・コンボ』の方が好きです。
なんといっても、“照明の魔術師”と言われたジョン・オルトンの撮影が凄い。
光と影の対照を活かしたその映像は、美学的といってよいほど徹底されており、ストーリー云々よりも、その映像で映画のトーンが見事に形作られている印象です。
また、補聴器を使った拷問や、あえて補聴器を外して音を消した銃殺シーン、また、金と見せかけてダイナマイトが入っているシーンの演出など、カルトチックな見せ場に事欠かない作品です。
ラストの光景も素晴らしく印象的。
キャストでは、ギャング役のリチャード・コンティが存在感といい、演技といい、完全に刑事役のコーネル・ワイルドを喰っちゃっているように思われました。
セリフの言い方もいかにもそれらしく印象的。
ギャング組織のナンバー2を演じるブライアン・ドンレヴィは、先日観たフリッツ・ラング監督の『死刑執行人もまた死す』で主役の暗殺者役を演じていましたが、ここではかなり影の薄い役廻りとなっています。
ところで、コーネル・ワイルドはこの作品以前、あのヴィヴィアン・リーと結婚していた人なんですね。
この作品のヒロイン、ジーン・ウォレスとは当時、夫婦だったとのことです。(実際、この作品のジーン・ウォレスは魅力的です)
コーネル・ワイルドの顔を、誰かに似ているなぁと思ってこの作品を観ていたのですが、セルジュ・レジアニでした。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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