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このところ40年代後半のアメリカ映画のフィルム・ノワール作品を続けて観ましたので、そのメモです。
●『闇の曲り角』(46年、監督:ヘンリー・ハサウェイ、出演:マーク・スティーヴンス、ルシル・ボール、クリフトン・ウェッブ)
●『死の接吻』(47年、監督:ヘンリー・ハサウェイ、出演:ヴィクター・マチュア、リチャード・ウィドマーク、ブライアン・ドンレヴィ)
●『情無用の街』(48年、監督:ウィリアム・キーリー、出演:マーク・スティーヴンス、リチャード・ウィドマーク、ジョン・マッキンタイア)
どれも20世紀FOXの作品なのですが、ほぼ同時期の作品ということもあって、監督、キャストなど、いろいろ共通点があります。
『闇の曲り角』と『情無用の街』の撮影はジョー・マクドナルド、『死の接吻』の撮影はノーバート・ブロダインです。
『闇の曲り角』
殺人事件に巻き込まれてしまう探偵のお話。
主演のマーク・スティーヴンスが魅力的。
風貌がコーネル・ワイルドとちょっと重なる印象がありますが、どことなくセルジュ・レジアニにも似ている気もします。
先日観た『ガラスの鍵』にも出ていたウィリアム・ベンディックスがここでも持ち味を発揮。
ヒロインのルシル・ボールの明るさがノアールとは異質な感もありますが、これはこれで魅力的。
『ローラ殺人事件』でも印象的だったクリフトン・ウェッブが、ここでも同じような役柄をこなしています。
ストーリーもなかなかよく出来ていて個人的にも好きな作品です。
『死の接吻』
主演のヴィクター・マチュアのキャラクターが若干魅力に欠けるものの、この作品で鮮烈デビューを飾ったリチャード・ウィドマークの存在感がなんとも印象的。
彼の怖さを印象付ける演出が見事。(画面に不在でも存在感を感じる!)
『闇の曲り角』と同じヘンリー・ハサウェイ監督の作品ですが、ストーリー的には『闇の曲り角』より一枚落ちる感はあるものの、冒頭の宝石強盗からエレベーターで下るあたりの緊張感のある描写など印象的。
やはり『ガラスの鍵』で悪徳政治家を演じていたブライアン・ドンレヴィが、ここでは全くイメージの異なる検察官役を好演。
『情無用の街』
FBIの内幕をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた作品。
後半よく理解できないシーンがありましたが、ストーリー的にもかなり面白かった作品です。
これもやはり『闇の曲り角』と同じマーク・スティーヴンス主演作で、彼個人の魅力としては『闇の曲り角』の方が上という感じがしますが、ここでも、敵役のリチャード・ウィドマークの存在感が光ります。
『死の接吻』よりも後の作品ということもあって、演技にさらに磨きが掛かっている印象。
単にコワいだけでなく、人間的な愛嬌も感じさせるのが俳優としての彼の魅力でしょう。
主演作の『街の野獣』(監督:ジュールス・ダッシン)が観たい…。
あと、『アスファルト・ジャングル』(監督:ジョン・ヒューストン)のコミッショナー役ジョン・マッキンタイアが脇役で出ているのも嬉しいところ。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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