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ジャズで現在最も注目すべきCDは、昨年よりEMIから発売されているジャズ名盤ベスト&モア999シリーズだと確信する。
999円という価格の安さがなんといっても魅力だが、昨年9月に発売された第一弾50タイトルは、これまで何度も再発を繰り返してきた名盤ばかりのラインアップで新鮮味はあまりなかった。
例外はジャズ・クルセイダーズの60年代の2枚で、内容も期待に応える魅力的なものだった。
そんな中、第二弾50タイトルが昨年12月に発売されたが、今度は国内初CD化の割合がやたら高く、貴重盤、注目盤が目白押し。
どれを買うか大いに迷ったが、とりあえず4枚購入。
●ハンク・モブレー&リー・モーガン『マンデイ・ナイト・アット・バードランド』
●ジジ・グライス&ドナルド・バード『ジャズ・ラブ』
●ウォーン・マーシュ『ジャズ・オブ・トゥー・シティーズ』
●スライド・ハンプトン『ザ・ファビュラス・スライド・ハンプトン・カルテット』
以下、ざっと聴いた感想。
モブレー、モーガン、フラー他のバードランドにおける58年のライヴは間違いなく今回の目玉の一枚。
これまでフレッシュサウンド等で出ていた音源だが、まさか国内盤で発売されるとは思わなかった。
音の雰囲気はあの『バードランドの夜』(アート・ブレイキー)にそっくりで(同じ場所なのだから当たり前といえば当たり前だが)、演奏のレベルの高さや熱もそれに近い。
それにしても、この頃のリー・モーガンは最高である。
続編『アナザー・マンデイ・ナイト・アット・バードランド』も今シリーズで出ており、どちらもハードバップファン必携と思われる。
ジジ・グライス&ドナルド・バードのアルバムは、極めてオーソドックスな演奏内容で、ハードバップというよりもビ・バップ風のどこか古風な雰囲気をたたえた演奏だが(録音のせいもあるだろう)、この安定感、安心感?は何物にも代えがたい魅力がある。
ウォーン・マーシュは密かなフェイヴァリット・テナーの一人なので、こうして幻の名盤が再発されるのは実に嬉しい。
実際、このアルバムは、洗練されたクールな演奏、録音、そしてジャケットもすばらしい。
スライド・ハンプトン(トロンボーン)のアルバムはパリでの録音。
このアルバムはヨアヒム・キューンのピアノ、ニールス・ペデルセン(!)のベース、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムというメンバーの魅力で購入したが、聴いてみると異常なまでにハイテンションの演奏の連続で、これぞケンカセッション、と言いたいくらいの演奏内容だ。
ヨアヒム・キューンの唸り声というよりほとんど歌声入り?のピアノ、ペデルセンのいつもながらの凄まじいベースも聴き物である。
以上が今回購入した4枚の簡単な感想だが、他にもカーティス・フラー『スライディング・イージー』、サド・ジョーンズ『モーター・シティ・シーン』、カーメル・ジョーンズ『ザ・リマーカブル・カーメル・ジョーンズ』、レス・マッキャン『レス・マッキャン・イン・ニューヨーク』といったレア盤も是非聴いてみたい。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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