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フランク・キャプラ監督の『オペラハット』を国内盤DVDで観た感想。

MR. DEEDS GOES TO TOWN』(36年)
監督:フランク・キャプラ 
脚本:ロバート・リスキン 
撮影:ジョセフ・ウォーカー 
音楽:ハワード・ジャクソン 
出演:ゲイリー・クーパー、ジーン・アーサー、ジョージ・バンクロフト、ライオネル・スタンダー、ダグラス・ダンブリル、メイヨ・メソット、レイモンド・ウォルバーン

再見。
ずっと前から気になっていたフランク・キャプラDVDコレクターズBOXがアマゾンで50%オフだったので勇んで購入。
全9作品+ボーナスディスク1枚の10枚組。
単品では国内DVD化されていない作品も収録されているし、8作品がニューマスター使用だという。
個人的にキャプラ映画で一番好きな作品は『我が家の楽園』だが、9作品をどんな順番で観るかも楽しみ。
そんなこんなで、まず手始めに観たのは『オペラハット』。

キャプラ得意のロマンティック・コメディだが、当時の世相を反映した社会派的な要素も持っている点がこの監督らしい。
内容の面白さは今さら言うまでもないが、ゲーリー・クーパーの表情とか立ち振る舞いを観るだけでも価値のある作品だし、相手役に抜擢されたジーン・アーサーも文句なくいい。

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エリック・ロメール監督の『恋の秋』を国内盤DVDで観た感想。

CONTE D'AUTOMNE』(98年)
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ディアーヌ・バラチエ
音楽:クロード・マルティ
出演:マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマン、アラン・リボル、ディディエ・サンドル

再見。
四季の物語』の中の一篇。
以前一度だけ観たが、その時も名人芸ともいうべき見事なストーリー展開に感服した覚えがある。
今回久々に観直して再び魅了され、つい“最高傑作”という言葉が口から出かかってしまった。
よく考えればあざといくらいの仕上がりなのだが、嫌らしさが全くないのだ。
“最高”かどうかは別として、これもロメール監督の大傑作であることは間違いない。

もちろん脚本の出来栄えの良さがこの作品の成功の要因だが、なんといっても二人のロメール女優、マリー・リヴィエールベアトリス・ロマンの共演の魅力が大きい。
よく見れば、二人とも容貌的にはさすがに老けた感はあるのだが、若いころとはまた別の魅力が加味されているように見える。
ある意味では若い頃より魅力的に見えるくらいだから不思議だ。

libolt.gif新聞広告でマリー・リヴィエールと知り合うジェラール役の中年俳優アラン・リボルはこれがロメール作品初出演だという。
この俳優、メルヴィル映画のファンならどこかで観たことがあるはず。
それもそのはず、『影の軍隊』で組織を裏切ったためにリノ・ヴァンチュラ、ポール・クローシェらに処刑される若者ポール・ドゥナを演じていたのが彼なのだ!
『影の軍隊』から約30年後の姿がこれなのだが、ロメールは彼の演技、とりわけ表情の演技に大変満足し、編集でカットするのが惜しかったと語っていたほどだという。(HPのCASTに彼の記事を書きました

ジャック・ドゥミ監督の『ロワール渓谷の木靴職人』を国内盤DVD(ジャック・ドゥミ初期作品集DVD-BOX)で観た感想。

Le Sabotier du Val de Loire』(55年)
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:H・ジョルジュ・ランディ
音楽:エルザ・バレーヌ

初見。
ジャック・ドゥミ監督処女作であり、22分の小品。
内容は、ナントの木靴職人の老夫婦の日常をドキュメンタリー風に描いたもの。
ナレーションを用いた、古典的で淡々とした語り口が好ましい。
監督処女作ながら、カメラワークや照明の技術も確かで落ち着いており、これ見よがしの点のない、極めて簡潔で質素な作品。
時間こそ短いが、人生の一端を垣間見るような、想像以上に見応えのある作品である。
その語り口に、ちょっとメルヴィルの処女作『ある道化師の二十四時間』(46)を思わせるところがあるように感じた。

エリック・ロメール監督の『パリのランデブー』を国内盤DVDで観た感想。

LES RENDEZ-VOUZ DE PARIS』(94年)
監督・脚本:エリック・ロメール 
撮影:ディアーヌ・バラティエ 
音楽:パスカル・リビエ 
出演:クララ・ベラール、アントワーヌ・バズラー、セルジュ・レンコ、オーロール・ローシェル、ミカエル・クラフト、ベネディクト・ロワイアン 
 
再見。
第一話「7時のランデブー」、第二話「パリのベンチ」、第三話「母と子 1907年」という3作品から成るオムニバス作品
いかにもロメールらしい瑞々しい映像の魅力を十分に堪能できる作品となっている。

実際、3作ともどれもホントによく出来ている。
男が情けないという点ではどれも共通しているが、それはロメール作品では常のこと(笑)。
ほとんど素人同然の俳優たちからこれほどまでに自然な演技を引き出す手腕に感服。
中でも、第三話のヒロイン役のベネディクト・ロワイアンが特に魅力的だったが、それに加えて、16ミリの手持ちカメラで写し取った90年代のパリの表情が大変魅力的な映画だった。

ジョージ・マーシャル監督の『青い戦慄』を国内盤DVD(ジュネス企画)で観た感想。

THE BLUE DAHLIA』(46年)
監督:ジョージ・マーシャル 
脚本:レイモンド・チャンドラー 
撮影:ライオネル・リンドン 
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:アラン・ラッド、ヴェロニカ・レイク、ウィリアム・ベンディックス、ハワード・ダ・シルヴァ、ヒュー・ボーモント、ドリス・ダウリング 
 
初見。
あのレイモンド・チャンドラーが脚本を書き下ろした作品で、サイコ・スリラーっぽいフィルム・ノワール、とでもいうような雰囲気を感じる映画。
殺人事件の犯人が誰なのかというのがストーリーの大きな要素となっているが、正直なところ、もう一つ入り込めないというか、面白さを感じない作品だった。
さすがにアラン・ラッドヴェロニカ・レイクの二人は魅力的なのだが、ヴェロニカ・レイクの役柄がもう一つ弱いような感じがしたかな。

国内盤DVDの画質は思ったより悪くなかった。

昨年9月に80歳で亡くなったクロード・シャブロル監督だが、日本でもにわかにその周辺が活気づいてきた。

まず、先日このブログでもお知らせしたシャブロル本『不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話』(清流出版)の出版。
2月上旬発売との話だったが、本屋を覗いても発売されている様子はないし、なぜかamazonにも見つからない。
発売延期の可能性もあるが、遅かれ早かれ発売されるだろう。

4月には、やはりこのブログでもお知らせした引き裂かれた女』(07)の公開。(渋谷シアター・イメージフォーラムほか)

そして、まだ日程は未定のようだが、この春には『映画の國 名作選Ⅱ クロード・シャブロル未公開傑作選』として国内未公開のシャブロル作品がなんと3作(『甘い罠』(00)『最後の賭け』(97)『悪の華』(03))も公開されるとのこと。(渋谷シアター・イメージフォーラム

さらに、6月にはキングレコードから『主婦マリーがしたこと』(88)、『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』(95)の国内DVDが発売される。
どちらもVHSはあったが国内初DVD化で、イザベル・ユペール主演作。
個人的に、『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』は以前から是非DVDで観たかった作品。

その気になれば、新たに6作品のシャブロル作品を観ることができるわけで、大変に楽しみである。

久々にオランダのジャズ歌手アン・バートンAnn Burton 1933~1989)の名を目にした。

タワーレコードを覘いたら、彼女の過去の未発表音源が発掘され、CDとなって発売されていたのだ。
その未発表音源は母国オランダのラジオ局に残されていた録音ばかりで、すでに日本ではCDが2枚発売されており、1枚目のアルバム『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』はすでに昨年11月に発売されていたらしい。
ちょうど2月10日に2枚目のアルバム『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』が発売されたばかりだった。

アン・バートンは一般的には決して有名な歌手ではないが、『ブルー・バートン』(67)『バラード&バートン』(69)というジャズ・ヴォーカル史上に輝く名盤を残した、ジャズ・ヴォーカルに関心のある人なら知らなければモグリと言われるような存在である。
残念ながら若くして亡くなったが、生前は日本でも大変人気があった。
1973年から1980年にかけて4度も来日公演を行っており、日本のレコード会社の要請で何枚かアルバムも製作している。


私も『ブルー・バートン』『バラード&バートン』という2枚のアルバムを聴いて彼女の歌に魅了された一人である。
それからは結構レアなアルバムにまで手を出した。
彼女の歌の特徴は決して歌唱力にまかせて歌い上げるタイプではなく、むしろ語りかけるような歌い方。
ジュリー・ロンドンのようなお色気たっぷりという感じでもなく、大変清潔感のある、温かみのある声だった。

ここ数年はジャズ・ヴォーカル自体聴く機会が激減したので、すっかり存在も忘れていたが、今回発売されたばかりのCD『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』を試聴機で耳にし、その素晴らしさに胸を打たれた。
そこで昨年11月に発売されたアルバム『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』の存在も知り、もう居ても立ってもいられなくなり、この2枚のアルバムを購入したという次第。

そんなわけで、さっきからこの2枚のアルバムを何度も聴き返しているのだが、やはりというべきか内容は最高だ
アン・バートンの歌は派手ではないが、落ち着いた大人の歌であり、好きな者にとってはたまらない魅力に溢れている。
また、なんというか、聴いていて一杯飲みたくなるような、とてもリラックスできる歌である。
バックの編成も最小限で、ほとんどがライヴ音源というのも嬉しい。

昨年11月に発売された『ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク』は70年、76年、84年の録音をまとめたもので、名盤『ブルー・バートン』『バラード&バートン』を支えたピアニスト、ルイス・ヴァン・ダイクが全曲に参加。
しかも、全13曲中11曲がルイス・ヴァン・ダイクとのデュオである。
ジャケットもいい。

今回発売された『1980~オン・ザ・センチメンタル・サイド アン・バートン』は全14曲が80年の録音で占められており、ほとんどがピアノとベースだけの伴奏。
選曲も大変魅力的であり、アン・バートンの歌を心行くまで味わうことができる内容となっている。



最後に、『バラード&バートン』に収録されている『Try A Little Tenderness』を。

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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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