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以前挙げた私の好きなジャズ・アルバム・ベスト20の中から今回取り上げるのは④(順位ではありません)に挙げたジョン・ルイス&サッシャ・ディステル『アフタヌーン・イン・パリ』

F4BE1EADL.jpgJOHN LEWIS & SACHA DISTELAFTERNOON IN PARIS』(ATLANTIC)
①水辺にたたずみ②懐かしのストックホルム③アフタヌーン・イン・パリ④君の面影⑤バグズ・グルーヴ⑥ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
ジョン・ルイス(p)、サッシャ・ディステル(g)、バルネ・ウィラン(ts)、パーシー・ヒース(b)、ピエール・ミシュロ(b)、ケニー・クラーク(ds)、コニー・ケイ(ds) (56年)

ジョン・ルイスパーシー・ヒースコニー・ケイのMJQのメンバーが、サッシャ・ディステルバルネ・ウィランらフランスのミュージシャンと共演したアルバム。
これはもう何度繰り返し聴き返したか分からない愛聴盤の一つ。
このアルバムは、派手さは全くありませんが、スタンダードを中心になんとも味わい深い演奏が展開されます。

ジョン・ルイスのパリ好きはよく知られるところで、MJQでも『ヴェルサイユ』『コンコルド』『ヴァンドーム』など、パリの名所をモチーフにした楽曲を数多く発表しています。
とりわけ有名なのは、フランスの名ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの死を悼んで作曲した『ジャンゴ』でしょう。
サッシャ・ディステルの演奏はあまり数多く聴いているわけではありませんが、このアルバムの演奏はジョン・ルイスとの音楽的相性も良く、ギターの気品のある音色が素晴らしい。

テナーのバルネ・ウィランの音色も全体によく溶け込んでいますし、エッフェル塔をバックにしたジャケも大変魅力的。

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フランソワ・トリュフォー監督の作品紹介の続きですが、今回は 『私のように美しい娘』。

19b5b54a.jpegUNE BELLE FILLE COMME MOI』 (72年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:ジャン=ルー・ダバディ、フランソワ・トリュフォー
撮影:ピエール=ウィリアム・グレン
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ベルナデット・ラフォン(カミーユ・ブレス)、アンドレ・デュソリエ(社会学者スタニスラス・プレヴィン)、シャルル・デネ(害虫駆除人アルチュール)、クロード・ブラッスール(弁護士ミュレーヌ)
98分、カラー


トリュフォー作品の中でも特にコメディ方向に弾けた作品で、下品と言ってよいほどの下ネタ満載の映画。
ちょっとトリュフォー作品とは思えないほどの内容ですが、映画そのものは面白いとしか言いようがありません!

とにかく、ヒロインのベルナデット・ラフォンの奔放な魅力に尽きる作品です。
トリュフォーの処女作「『あこがれ』で全くセリフのなかった彼女がここではしゃべる、しゃべる…。
ヌーヴェルヴァーグの“ニンフ”とまで言われた彼女ですから、こちらの方がニンにあることは間違いありませんが、それにしても彼女のコメディの才能がここでは最大限に発揮され、その素晴らしい弾けっぷりに脱帽です。

見るからに真面目そうな社会学者が犯罪者の女性(ラフォン)を取材するという設定も面白く、学者が次第に彼女に惹かれていく様が面白おかしく描かれています。
後に『恋愛日記』に主演するシャルル・デネも、害虫駆除の仕事をしているという設定が彼のキャラクターにピッタリで、その身振り手振りがなんとも可笑しい怪演ぶり。
ベルナデット・ラフォンの歌のシーンも最高に笑えますし、登場人物が皆まともでないという、ちょっと(かなり?)イカレた映画です。

5月に『賭博師ボブ』の国内盤DVDの発売が決定しているジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンから改称、以下略称:ユニバーサル)ですが、6月発売の『ユニバーサル・セレクション1,500円 2009 WAVE 5』のラインアップが発表されました。
リンク

結論からいうと、メルヴィル作品のDVD化は残念ながら今回はナシ!なのですが、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『密告』、ジャン・コクトー監督の『オルフェの遺言』、ジャン・シャポー監督、アラン・ドロン主演の『燃えつきた納屋』など、フランス映画の注目すべき作品のDVDが発売されます。

クルーゾー監督の『密告』は昨年ジュネス企画からも国内盤DVDが発売となりましたが、実績から言っても、今度のユニバーサル盤の方が画質が良いことは間違いないでしょうし、価格も遥かに安価。
ジャケもいい感じです。

ジャン・コクトー監督の『オルフェの遺言』は待望の国内盤再DVD化。
前回は東北新社から国内盤DVDが発売されていましたが、長らく廃盤、例によってプレミアが付いていました。
私もおいそれとは手が出なかっただけに、今度の廉価盤発売は嬉しいですね。

ジャン・シャポー監督、アラン・ドロン主演の『燃えつきた納屋』は今回が国内盤初DVD化。
このところ、ユニバーサルはドロン作品を必ずと言ってよいほどラインアップに加えています。
恐らくは、リクエストも多く、また固定ファンの多いドロン作品はある程度の売り上げが見込めるのでしょう。
私はこの作品は未見ですが、シモーヌ・シニョレとの共演に興味を惹かれます。
ドロン作品の常連ポール・クローシェの名前もあります。

マルセル・カルネ監督の『霧の波止場』を国内盤DVDで観た感想です。

image71.jpgLE QUAI DES BRUMES』 (38年)
監督:マルセル・カルネ
脚本:ジャック・プレヴェール
音楽:モーリス・ジョーベール
出演:ジャン・ギャバン、ミシェル・モルガン、ミシェル・シモン、ロベール・ル・ヴィギャン、ピエール・ブラッスール、レイモン・エイムス、エドゥアール・デルモン


監督マルセル・カルネ、脚本ジャック・プレヴェールによる、いわゆる“カルネ=プレヴェール”による名品です。
もともと大好きな作品なのですが、再見して改めて堪能しました。

いかにも往年のフランス映画らしいフランス映画で、我々がこの時代のフランス映画というもの(あくまでもイメージですが)に期待するものを全て見せてくれる映画といってよいかもしれません。
冒頭から、男同士のケンカと仲直りという展開なのですが、その仲直りの仕方からして、いかにもフランス映画的なのです。

そして、港町ルアーヴルの霧の描写、そして、そこに佇むパナマ亭の描写が素晴らしい。
もうこれだけで我々はこの映画の世界に引きずり込まれます。
いわゆるリアリズムとは対照的な描写なのですが、むしろ、これでこそ映画という思いがします。

キャストも皆素晴らしい。
とりわけ、“レインコートにベレー帽”という見事なファッションで登場する、ミシェル・モルガンの魅力は唯一無二。
彼女の出演作の中でも、他の作品でも決して味わえない特別な魅力があると思います。
ジャン・ギャバンの良さも今さら言うまでもなく、ミシェル・シモンピエール・ブラッスールなど往年の名優たちの演技も見事です。

そして、モーリス・ジョーベールのドラマティックな音楽が映画を大いに盛り上げています。
この作品の映像は、5年くらい前に購入した『Office YK Pictures』なる少々怪しげなレーベルのDVDで観ているのですが、これが意外と画質が良いんですよね。(1000円くらいで購入しました)
最近ではジュネス企画からも国内盤DVDが出ているようですが、買い直そうという気にはなりません。

00000906633L.jpgシネマヴェーラ渋谷にてクロード・シャブロル監督の『不貞の女』を観てきましたのでその感想を書きます。
シネマヴェーラ渋谷の関連ページへのリンク

現在、シネマヴェーラ渋谷では“シャブロル三部作発売記念「紀伊國屋書店レーベルを讃える」”と題して、紀伊國屋書店レーベルから発売されているDVDを上映しています。
紀伊國屋書店レーベルのDVDの価格は高めなので、買おうか買うまいか迷っている映画の場合、今回のような特集は助かります。
この特集は、通常二本立てで一般1400円という入場料ですが、併映されていた『家宝』には私はさして興味がなかったので、『不貞の女』だけ観てきました。

不貞の女』『La Femme Infidele』(69年)
監督・脚本:クロード・シャブロル
撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、モーリス
・ロネ
 
俗に“エレーヌもの”と呼ばれるステファーヌ・オードラン主演の連作の第二作に当たる作品で、連作の第三作で今回の特集でも上映される『肉屋』も私は昨年観ています。
その時書いた『肉屋』の感想

前回観た『肉屋』に関しては、この時期のシャブロルの作風に馴染んでいないこともあってか、ひと言で言って苦手な作品という印象でしたが、今回の『不貞の女』は、前回で多少免疫も出来たせいもあってか、好き嫌いはともかく、大変な傑作だと思いました。

ストーリーは極めてシンプル、妻の浮気と夫の嫉妬という古今東西いくらでもある題材ですが、それだけにシャブロル監督の演出の妙が光ります。
カメラの使い方など、表現過多とでも言いましょうか、少々どぎついくらいのところもありますが、シャブロル作品特有(?)のドロっとした粘っこい表現が実に上手く活かされています。

主演のステファーヌ・オードランミシェル・ブーケの二人も名演です。
オードランは『肉屋』以上にその美貌と肢体の美しさが魅力的ですし、表情の演技も素晴らしい。
ミシェル・ブーケの演技は、ある意味それ以上に見事で、平凡な人間の狂気を演じて天下一品です。
この二人にモーリス・ロネが、あの『太陽がいっぱい』以来の“モーリス・ロネらしい”役柄で絡み、キャストは完璧と言えるでしょう。

また、『肉屋』でも印象的だったピエール・ジャンセンの現代音楽風の音楽は、ここでも作品の重苦しさを伝えて余すところがありません。
ジャン・ラビエによるカメラワークも見事で、様々な解釈を可能とさせるラストの絵はとりわけ凄かったです。

映画の雰囲気は重苦しく、正直、DVDを購入して何度も観たくなるような映画ではありませんが、一映画作品としての出来栄えは文句の付けようのない傑作だったという印象です。
あと、今回の上映はDVDでの上映であったこともあり、大画面のスクリーンで観ると解像度は今一つだったように思います。

ジャン・ルノワール監督の『大いなる幻影』を国内盤DVD(パイオニア)で観た感想です。

image69.jpgLA GRANDE ILLUSION』 (37年)
監督:ジャン・ルノワール
脚本:ジャン・ルノワール、シャルル・スパーク
撮影:クリスチャン・マトラ、クロード・ルノワール
音楽:ジョセフ・コズマ
出演:ジャン・ギャバン、ピエール・フレネー、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ディタ・パルロ、ジュリアン・カレット、マルセル・ダリオ、ジャン・ダステ

世界映画史上の名作との評価は、むしろ初めて鑑賞する際には邪魔かもしれません。
なぜなら、期待が大きい分だけ、失望感も大きいからです。
私の場合、初めて観たのは劣悪な画質のVHSビデオだったせいもありますが、正直なところ魅力がよく理解できませんでした。
今回でこの映画を観たのは多分3回目だと思うのですが、観る度に良くなってきます。

実際のところ、この年代の映画ともなると、DVDの画質の良し悪しが映画の印象を強く決定付けますが、パイオニアから出ている国内盤DVDは、オリジナルネガからプリントしたというDVDであって、実際画質も満足のゆくものです。
いわゆる500円DVDの画質は観ていないので分かりませんが、ことパイオニア盤を観る限り、素晴らしいクラシック映画を素晴らしい画質で観られるという歓びをじっくり味わえる作品です。

image62.jpgキャストでは、やはりエリッヒ・フォン・シュトロハイムの存在感の素晴らしさを第一に指摘したい。
一つ一つの所作に、まるで歌舞伎役者のようなアクの強さ、大時代的な存在感があり、このような無国籍的内容の映画にピッタリ。
あのメルヴィル監督もシュトロハイムのファンだったようで、ルイ・ノゲイラ著『サムライ』ではシュトロハイムとの邂逅が感動的に語られていました。
相対するピエール・フレネーも地味ながら素晴らしい。
この人の良さもやはり観る度に分かってきます。

この二人に比べるとジャン・ギャバンの存在感はこの時代の他の名作映画ほどではありません。
しかし、ここにジャン・ギャバンがいる、それだけでこの作品がどれだけ充実したものになっているでしょうか。
ギャバンとマルセル・ダリオのコンビが想像以上に良いです。
仲直りするシーンは、泣けます。
この二人は私の知る限りでは『筋金(ヤキ)を入れろ』(55年、アンリ・ドコアン監督)でも共演しています。
以前書いた『筋金を入れろ』のレビュー

今回観て改めて感じたのがジョセフ・コズマによる素晴らしい音楽の魅力です。
それにしても、この映画のタイトルは見事ですね。
映画の途中で、何度かこのタイトルの言葉がセリフとして登場しますが、この映画の内容そのものが“大いなる幻影”と言えるのかもしれません。

以前別サイトにて書いたフランソワ・トリュフォー監督作品のレビューの転載です。(一部手直しあり)
今回は『恋のエチュード』。

image68.jpgLES DEUX ANGLAISE ET UN CONTINENT』 (71年)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:ジャン・グリュオー、フランソワ・トリュフォー
撮影:ネストール・アルメンドロス
音楽:ジュルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ピエール・レオー(クロード・ロック)、キカ・マーカム(アン)、ステイシー・テンデター(ミュリエル)
132分、カラー

突然炎のごとく』と同じ原作者アンリ=ピエール・ロシェによるベストセラー小説を映画化したもの。
そのせいか設定やストーリーもどこか『突然炎のごとく』を彷彿とさせるところがありますが、個人的にはかの名作よりも尚一層強い印象の残った作品です。

ストーリーは19世紀末、フランス人青年とイギリス人姉妹との15年に及ぶ愛の軌跡を描いたもので、一言でいって三角関係モノですが、そこに描かれているのは現代の私達がどこか忘れがちな恋愛の純粋ともいえる歓喜と苦悩、そしてセックスの歓びと痛み…。
邦題からはもっとメルへンチックな物語を想像しがちですが、これはなんとも痛々しくも激しい愛の物語なのです。

時代背景を感じさせる美術や衣装、そして舞台となったイギリスの海辺の風景も美しく、音楽も実にロマンチックですし、自転車、ロウソク、手紙などトリュフォー作品に欠かせない小道具も大活躍。

871c7e3f.jpegキャストでは、その行動にちっとも感情移入できないのに存在感だけはしっかりあるジャン=ピエール・レオー演じるクロード。
そして何よりイギリス人姉妹ののアンとミリュエルを演じる二人、その周囲の女優陣も皆美しい。
特に姉妹役のキカ・マーカムステイシー・テンデターの2人は本当に素晴らしく、どちらがどうと言えない魅力があります。

トリュフォー自身によるナレーションも印象的で、優れた文学作品の読後感のような芳醇な味わいを得ることができる作品。
公開時は酷評され、商業的にも成功しなかった作品ですが、トリュフォー作品でどれか一つと言われたら、私はこの作品を挙げたいです。

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HN:
マサヤ
性別:
男性
趣味:
フランス映画、ジャズ
自己紹介:
フランスの映画監督ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品のファンサイト附属のブログです。
メルヴィルを始め、往年のフランス映画やアメリカのフィルム・ノワールのほか、JAZZ、松田聖子など好きな音楽についても綴っています。
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